『ロスト・バケーション』

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 夏休みシーズン到来と共に梅雨も明けました、忘れていた暑さがやってくるーーーー!皆さんこんにちは、女住人Mです。
夏休みと言えば、海に水着にサメと相場は決まってる!?という訳で今回は「JAWS/ジョーズ」以来の"本格的サメ映画"の誕生と呼び声高い7/23公開『ロスト・バケーション』をご紹介します。
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 話は至ってシンプル。休暇を利用しメキシコのビーチにやってきたナンシー(ブレイク・ライブリー)。輝く砂浜、美しい海、完璧な波、人気のないこの場所で日常を忘れ、ひたすらサーフィンをする幸せなひと時を過ごしていた・・・・なのに、彼女の前に一匹の巨大な人喰いサメが現れた!!足を負傷し、出血をしながらなんとか岩場に辿りつくも、満ち潮がくれば沈んでしまう絶対絶命シチュエーション。岸までの距離は200メートル。岩場にたった一人の彼女は助かるのか??

 と、話だけかいつまむと夏休みの午後に吹替で見る午後のロードショー的印象を持たれる方も多いかもしれませんが、本作は「ラン・オールナイト」「フライト・ゲーム」「アンノウン」といった今やアクションおやじとしてその地位を確立してしまったリーアム・ニーソン映画のヒット作を監督したジャウマ・コレット=セラの最新作。

私の印象だと、この監督さんの作品はサスペンスとアクションのバランスが抜群な上に、スピーディーで映像表現も斬新なんですよね。なので海×サメ×水着女性といった数式から一般的に導きやすい答えの映画よりももっと硬派で、「JAWS/ジョーズ」で描かれたような心理戦、サメとの格闘がダイレクトに楽しめる、正統派サメ映画なんです!(いえ、巨大サメB級映画もあれはあれで大好きですが・・・)
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 冒頭で「JAWS/ジョーズ」以来の"本格的サメ映画"という表現をさせて頂きましたが、スピルバーグ作品で言うとどっちかと言うと「激突!」に近かった、という声もあり、それがまた言えて妙。何せ今回のサメ、むちゃくちゃシツコイんです。「激突!」でも主人公を執拗に追う車が粘着質たっぷりだったように、本作の主人公ナンシーを追うサメの粘着度の高いこと、高いこと。もういなくなったかな~、と思ってもすぐ登場するし、だんだん「いい加減もう許してあげてよ!」と思うぐらいしつこい。

確かに獲物はナンシーだけだけど、広大な海、ちょっと行けばもっと獲物が簡単に胃袋に入るんじゃないか?と思ってしまう程でストーカー体質丸出しのサメちゃんが怖すぎ!!でもそれが却って、このサメも生きようとしているんだ、それが自然の中で生きているということだ、なんてネイチャー的なことまで想像させたりするあたりも、硬派度の高さの証でしょう。
(原題の「The Shallows」は浅瀬と言った意味。サメ映画なのにそんなタイトルなところも硬派だね!)
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そんなしつこいサメにストーキング、いや、命を狙われるナンシーは医学生。大切な母が病気で先立ち、母を救えなかった医学を自分が続ける意味なんてあるのか、といった悩みを抱え、母の想い出のビーチにやってきて遭遇したのがこのサメちゃん。冒頭から地元サーファーにナンパされるも軽く交わし、ガチ・サーファーを匂わす描写もあるのでそれがまた硬派サメ映画の品格も保ちます。その上、サメに襲われ太ももをえぐられたりするのですが、身に付けていたピアスや上着で応急処置するD.I.Y精神にも溢れる彼女はとても逞しい。絶望的な状況でも決して諦めない精神力を持つ彼女が神々しくみえるってもんです。
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(ほぼ一人芝居だけれど画が持つのはプロポーション抜群な美女、ブレイク・ライブリーだからなせる技とも言える!)

そして体中傷だらけになり、心も折れそうな彼女の支えになるのがなんとカモメちゃん。この相棒っぷりが本当、泣かせるので要注目!!(このカモメちゃん、CGではないと聞いた時の驚愕ったら・・・)

 86分という切れ味の良いコンパクトな本編尺も完璧!
これから猛暑日が続くであろうこの時期、最もふさわしい1本です。"夏のサメ映画"と侮るなかれ!!!

By.M

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