『トゥモローランド』

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 皆さんこんにちは女住人Mです。今週はシネマイクスピアリでご覧になるにふさわしい1本、6/6(土)より公開『トゥモローランド』をご紹介いたします。
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 物語は1964年、自らの発明品を持ってニューヨーク万博に訪れた11歳のフランク・ウォーカーがアテナ(ラフィー・キャシディ)と言う謎の美少女に出会うことから始まります。Tの字が描かれたピンバッチを渡されたフランクは彼女の後を追い、イッツ・ア・スモール・ワールドに乗り込むと未来都市"トゥモローランド"に辿りつきます。そして現代。女子高生のケイシー(ブリット・ロバートソン)は荷物に紛れていたTの字が描かれたピンバッチを手にします。それに触れると目の前に広がるのは見たこともない未来都市。この謎を探ろうとしたケイシーの前にアテナが現れます。
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 本作は「Mr,インクレディブル」「レミーのおいしいレストラン」「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」を手掛けたブラッド・バード監督の最新作。あの「スター・ウォーズ」新シリーズの監督を断ってこの作品を完成させることを選んだブラッド・バード監督の心意気に、個人的に本作の映画の完成をとても楽しみにしていました。本作はこれまでにもあったアトラクションの世界観をそのまんま映画化したようなものでなく、ウォルト・ディズニーが描いた夢、ウォルトの手掛けたかった未来をモチーフに、ウォルトの思想や理念をダイレクトに伝えようとした極めてメッセージ色の強い映画でした!いや~、たまげました。

 実際に1964年の万博でウォルトが「世界平和」をテーマに出品したアトラクションが"イッツ・ア・スモール・ワールド"。万博終了後、アナハイムのディズニーランドに移築され以後、各国のテーマパークに作られ、我らが東京ディズニーランドにもあるんですね。ウォルトは晩年、ディズニー・ワールド・プロジェクトの中で"EPCOT"と呼ばれる実験的未来都市構想を描いていて科学でもって輝かしい未来を作り、世界を一つにしようとしていました。その志半ばで彼はこの世を去るのですが・・・。ウォルトは科学でもって住みよい環境を作ることで世界は1つになり、近代的な未来都市も作れる、そう期待していたのですが、実際現実はどうなっているかと言われると科学、技術の発展が行き過ぎて、むしろ生態系が崩れる、環境は破壊される、人口が増え過ぎる、食料難になっている、資源が枯渇する、戦争が起きる、とどんどん大変なことになっています。

この映画の中でその現実に向かいあっているのが映画の冒頭で未来に夢を見ている少年として登場し、今は大人になったフランク(ジョージ・クルーニー)。彼は行き過ぎた進歩によりこの世界は滅びると信じ、未来に失望しています。
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でもそんな彼の目の前に現れたのが、自分が子供の頃に手にしていたピンバッチを持ったケイシー。冒険心に溢れ、悲観的なこの世界も自分が大好きな科学でなら変えられるんじゃないか?と強く思っているポジティブな女の子。そんな彼女との出会いで彼の心に大きな変化が芽生えるのです。そしてそれが破滅に向かおうとしていた地球を救うことになります。

 その昔は輝かしいものとして想像されていたユートピア的"未来"ですが、今やTVのニュースや映画で描かれ、我らが想像するのはディストピア的未来。悲観的なネガティブな思考の方が情報としても伝わりやすい世の中で、どんどん世界は病んでいっています。そんな中で我らに必要なのは「世の中は良くなるはず」と強く思う気持ち、夢を強く描く、思い続けるマインドなんだ、というのがこの映画の根底にあるメッセージなのです。"才能とは夢を持ち続けること"と言った人がいます。どんなチャレンジも先ずはなりたいもの、やりたいことを夢としてずっと持ち続ける、それが重要なんですよね。夢は持ち続けていないと現実にはなりませんものね。
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(ジャパンプレミアの様子がこちら。左からブラッド・バード監督、ラフィー・キャシディ(アテナ役)、ブリジット・ロバートソン(ケイシー役)、志田未来(ケイシー役、日本語吹替)、ジョージ・クルーニー(フランク役)。
ラフィーちゃんが演じたアテナの可愛いさも本作の魅力の1つ。)

 とにかく物事の良い方を向き、そうなるんだ、と思い続けないことには明るい未来はやってこない。ウォルトもそんな前向きなビジョン(=夢)を持ち続けることで人々がわくわくするような明るい世界を具体化させていた、というのがとてもわかる映画になっています。ブラッド・バード監督が描く未来もちょっとレトロ感があってとても素敵なので是非スクリーンでお楽しみ下さい!

(C)2015 Disney Enterprises,Inc
By.M

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