『インサイド・ヘッド』

|

 やっとで梅雨も明けそうですね、女住人Mです。さて先週から夏のオススメアニメーションをご紹介していますが第2弾は皆さんお待ちかね、ディズニー/ピクサー長編アニメーション20周年記念作品7/18(土)公開『インサイド・ヘッド』をご紹介します。
main_inside-out-d230_24cs.sel16.117.jpg

 皆さんには自分でも理由が全くわからないまま、イライラしたり、親に当たったり、「私はど~なってるんだ~」といった自分制御不能な時期を経験したことありませんでしたか?私にはバッチリありました。小学生ぐらいまでは(自分で言うのもなんですが)割と良い子キャラだったのですが急に豹変し"私に構わないで!"オーラをビンビンに発し、親も私を腫れものにさわるようにしていた時期が・・・。そしてそれがいわゆる"思春期"だったと気付くのはまた後のこと。「この映画を観ていれば、私の中学生時代はもっと穏やかなものだったかもしれない・・・」そう感じざるを得なかった・・・。そう、本作は思春期を迎えたある少女の感情の揺れや気持ちの変化をアニメーションで描いた物語。実際、本作の原案・脚本・監督を担当したピート・ドクター監督の娘さんが11才ぐらいの頃、それまで明るい女の子だった彼女が急に不機嫌になってしまい「娘の頭の中では一体何が起きているのか?」と思ったことから着想されたお話です。
ishsub3.jpg

 主人公は11才の主人公ライリーの頭の中に存在する5つの感情たち~ヨロコビ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、そしてカナシミ。ライリーと共に生まれた彼らはみんな個性が違うけれど彼女を幸せにするために日々奮闘しています。でもライリーを悲観的にさせることしか出来ないカナシミの存在にヨロコビはちょっと懐疑的。そんな時にヨロコビとカナシミがライリーの感情をコントロールする部屋から放り出されてしまいます。それはちょうど、ライリーが見知らぬ街へ引っ越しをしたことをきっかけに気持ちが不安定になった時・・・。残された感情だけでライリーは一体どうなってしまうのか、そしてカナシミの存在理由って一体なんなんでしょう。
ishsub2.jpg

 擬人化された感情たち、経験した記憶が収められる光のボール、その中でも重要な記憶と認められたボール、名付けて"コア・モメリー"、私たちの頭の中は一体どんな風になっているかな?と映画を観ている間、想像を膨らませるのが楽しくなる本作。その中でも私のお気に入りは忘れられた記憶が行き着く"記憶のゴミ箱"。ここにはライリーが幼い頃に作ったイマジナリー・フレンド"ビンボン"がいます。ビンボンは幼い頃のライリーには決して欠かすことが出来なかった想像上の友達。でも実際に友達も出来て、ライリーが成長した今は忘れられた記憶の1つになっています。楽しい記憶はいつまでもずっと永遠に心に持ち続けたいのに、幼かった頃の記憶って知らぬ間に忘れていきますよね。「これ一生離さない!」と思っていた想い出の品もすっかり忘れたり、興味をなくしたり、思い返せばあの熱い想いは一体何だったのか?なんて思うこともあるのですが、"ビンボン"とライリーの関係性を描くシーンでその答えが描かれます。
ishsub4.jpg

そしてその記憶のメカニズムは実は子供が大人へ成長していく通過儀礼として必要なことなんだ!と思わせてくれる流れになっていて、私はこの映画で"ビンボン"の巻は大号泣、とってもお気に入りなワンシーンとなっています。私にとっての"ビンボン"こと、あのモンチッチ(年がバレる)が実は私の人格形成の上でとても重要なアイテムだったなんてこの年になって知りました・・・。この映画を観て久しぶりにあの頃肌身離さず小脇に抱えていたモンチッチに本当の意味での決別が出来た気さえしています。
 
 肝心な「カナシミって必要なの?」問題に関して・・・。幼い時の感情はきっとシンプルに単体でその人間に作用していたのだと思います。でも、この物語の中でも5つの感情は次第と相互に影響を受け与え始めていきます。シンプルだった感情がどんどん複雑化していく、これって感情の、人間の成長の1つなんですよね。そして大人になった我々は人生楽しいことだけ起きればいいのに、って思うけれど辛いこともあるから人生楽しかったりするもんだよね、ということを知っています。それと同じようにやっぱり感情にもカナシミが必要であることは実はもう知っているんですよね。そんなことを改めて優しい気持ちで感じさせてくれるのがこの映画なのです。
ishsub1.jpg

 大人になってもなお、自分の気持ちがわからなかったり、コントロールが出来なくなったりすることもありますが、そんな時には5つの感情たちのことを思い出すとちょっと気持ちが楽になるかもしれませんね。もちろん、子育て奮闘中のお父さん、お母さんにとってもこの映画は大切な1本になると思います!
 シネマイクスピアリではディズニー映画恒例"ここだけにしかない『インサイド・ヘッド』フォトロケーション"が登場していますので、ご来館の際には是非記念撮影をしてくださいね。
20150717.jpg

By.M
(C)2015 Disney/Pixar

カテゴリ

2015年9月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30