『チャッピー』

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 皆さんこんにちは、一人暮らしが長いのでペットかルンバと同居することを薦められている女住人Mです。昨今、ロボットやAI<人工知能>といったフックで映画が作られることが多くなりました。去年だけでも「ベイマックス」、「her」といった作品がありましたね。
今回ご紹介する作品もAIを搭載したロボットが主人公、5/23(土)公開の『チャッピー』です。
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 舞台は2016年南アフリカ・ヨハネスブルグ。犯罪が多発するこの地では警察ロボットが街の安全を守っています。ロボット開発者のディオン(デーヴ・パテル)は廃棄寸前の警官ロボットに密かにAI<人工知能>を搭載し開発を進めようとしていたのですが、ストリートギャングに自身もろとも誘拐されてしまいます。AI搭載ロボットは"チャッピー"と名づけられ、圧倒的なスピードで言語や社会性を学習するのですが、ギャングの元で成長したので、彼の存在は人間にとって次第と"脅威"に変化していきます。
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 本作の監督は「第9地区」のニール・ブロムカンプ、35歳。アバルトヘイト<人種隔離政策>が残っていた南アフリカで育った監督がその状況をSFエンタメ映画へと置き換えて作ったのが「第9地区」(アカデミー賞作品賞ノミネート)だった訳ですが、今回も監督は<人工知能>は人間にとって脅威なのか?という大きなテーマをまたまた見事にエンタメ映画として作り上げました。
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(右側の黒Tを着ているのがブロムカンプ監督。次回作は「エイリアン」の監督が決まっている!
これまた期待出来ますね)

 コンピューター技術がすさまじい勢いで発達している昨今、現状のペースで技術革新が進んだ場合、2045年にはコンピューターの性能が人間の能力を凌駕すると言われています。ホーキング博士やマイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏といった専門家の中にはその進歩には警鐘を鳴らす人々も・・。コンピューターの脅威は「2001年宇宙の旅」然り、これまでの映画でも語られてきましたが、本作ではその恐怖がより現実味のある形で、かつとてもキャッチーな形で表現されています。

この映画の中でもロボットがAIを搭載するには時期尚早と思われているのですが、そんな時代でふいに誕生したチャッピーを育てるのがギャングの夫婦、ニンジャとヨーランディ。荒廃した街で犯罪を犯す彼らはチャッピーを犯罪マシンになるように育てます。が、プログラミングが完了していなかったチャッピーは最初言葉もわからず、まるで夫婦が赤ちゃんを授かったかのようです。特にパパとなるニンジャは根っからのギャングなので言葉使いも悪けりゃ、素行も悪い。「YO~!F×CK YOU、メ~ン!」みたいな挨拶を筆頭に厳つい歩き方から銃の扱いまでチャッピーに教え、立派なギャングロボットが完成です。そんなチャッピーの出現にヨーランディは母性が開花、心から優しく接するその姿、子煩悩ママの何者でもありません。なのでチャッピーも特にママの言われることは素直に聞くし、ちょっと怖いパパにも怒られないように何でも言うことを聞いてしまい、自分がやっていることが悪事とわかならいチャッピーのその行動は普通の人間にとって、どんどん脅威になっていくのです。
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(こちらがチャッピーのママとなるギャングだけど心優しいヨーランディ。)

 そんな中、チャッピーは自分がバッテリー式のロボットであったことを知り、自らの命に限りがあること、そしてもともとAIロボットを危険視し、自らの開発したロボットこそが優れていると主張したいロボット開発者ヴィンセント(ヒュー・ジャックマン)の陰謀によりチャッピーの運命はとんでもない方向に進んでいくのです・・・・。
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(主役はロボットとギャング夫婦ですが、脇にはヒュー・ジャックマンにシガニー・ウィーヴァーと豪華キャスティング!
ナイスガイでお馴染ヒュー・ジャックマン、今回は悪役。)

 チャッピーを見ていると、<人工知能>の優位性と弊害といったことを考えさせられることはもちろん、"三つ子の魂百まで"的に育つ環境って大事だな、とか子供が生まれて親になるのではなく、子供が成長の過程で親にしてくれるんだな~、といったことまで気付かされます。でもこの映画、外見は全くそんなんじゃないんですよ。もうそこが「第9地区」のブロムカンプ監督マジックです!!

 赤ちゃんみたいだったチャッピーがギャング夫婦の愛を受け両親に素直な子どもに成長し、自我が目覚め反発もし大人になっていく。その成長を見守っていた観客にとっても次第とチャッピーはわが子のように感じられ、気付けば「チャッピー、可愛い・・・」の心境。そんな中チャッピーの運命は切ない方向に展開・・・まさかの涙・・・しかもどうしようもないギャングだったニンジャとヨーランディの行動に泣かされる始末・・・二人はチャッピーの存在で初めて本当の夫婦になり、両親になっていくのです。
正直、この映画でこんなに感動すると思っていなかった・・・というのが観終わった後の率直な感想で、最後にはチャッピーを始め、悪党だったニンジャとヨーランディにも完全に感情移入してしまったことをお伝えします。
チャッピーが映画館で待ってるよ!

By.M

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