『マエストロ!』

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 皆さん、こんにちは。女住人Mです。去年の「アナと雪の女王」、只今シネマイクスピアリで大ヒット上映中の「ANNIE/アニー」と音楽が印象に残る作品が続々公開されている昨今、まだまだ続いていきますよ、と言うことで今回ご紹介する作品は1/31(土)公開の『マエストロ!』です。
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 主人公は、若手コンサートマスター、ヴァイオリニストの香坂(松坂桃李)。不況で解散した名門オーケストラの復活コンサートに参加することになりますが、資金がないので練習場は廃工場、集まった楽団員は再就職も決まらない演奏家たちとアマチュアフルート奏者のあまね(miwa)。そこに現れたのが謎の指揮者・天道(西田敏行)。自分勝手な進め方に楽団員たちは猛反発しますが、次第と天道が導く音の深さに引き込まれていきます・・・

 主演の若手ヴァイオリニスト・香坂を演じるのは「ツナグ」で大ブレイクした松坂桃李さん。通常役者が演技のために弾き方を習う際は画面に映る部分のみ集中的に特訓をするらしいですが、松坂さんは1年かけて基礎から特訓しこの役に挑みました。やはり音楽映画の肝は演奏シーン、そこに物語のクライマックスが置かれるのは当然なので、演奏の所作がお粗末だとテンションが下がっちゃいますもんね。しかも松坂さんの手や指が綺麗すぎて、手の吹替を使うとばれる可能性もあって松坂さんは自力で何とかするしかなかったそうです。
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 アマチュアながらも才能溢れるフルート奏者・あまねを演じるmiwaさんもシンガーソングライターなのでギターはお手のものですが、フルートは初めて。でも音楽的センスが良いmiwaさんは短期間でマスターしたそうです。他の出演陣もキャスティングの段階からある程度経験がある人を選抜しています。一番驚きだったのはホルンを担当した嶋田久作さんはかつてピアノの調教師だったとか。
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 そんな選りすぐりで個性的な俳優陣で構成される楽団をまとめるのは指揮者の天道こと西田敏行さん。西田さんと言えば「もしもピアノが弾けたなら」でお馴染み歌手として音楽的素養もある役者さんなだけあって、その指揮者としての振る舞いや風格もピッタリ。
前回ご紹介した『ビッグ・アイズ』もクリストフ・ヴァルツという超個性的な役者さんの演技でもって、後半の物語は特に"クリストフ・ヴァルツ劇場"さながらにおいしい所をかっさらっていく展開でしたが、本作においても西田さん演じる天道は横暴でガサツでありながらも天賦の才能で人を惹きつける感じはクリストフ・ヴァルツ並み!この映画もちょいちょい"西田敏行劇場"になっていて楽団員たちだけでなく、観ているこちらまで西田さんの熱にグイグイ引っ張られます。いや〜、さすが西田さんです!maestro1.JPG

 そして本作の見どころ復活コンサートのシーン。ここはもう大げさではなく映画館がコンサートホールになる瞬間です。この映画の中でも何度か繰り返される"今ある音は次の瞬間には消えてなくなるけれども、何かが共鳴しあって生み出された至高の瞬間は永遠になりうる"といったメッセージが役者陣の気迫のこもった演技と共に胸に迫ってきます。

音楽に限らず、私たちの生きているこの瞬間はいつもすぐ過去のものとなりますが、特別な何かに感情を揺さぶられた時にそれは永遠とも感じる感動を呼び起こすことってあると思うのです。役者たちが、プロの演奏家たちを演じるにあたってどれだけ彼らに敬意を払いそれぞれの役に挑んだのか、そんな役者たちのプロ意識さえも伺える圧巻のクライマックスを是非スクリーンで堪能してください。クラッシック音楽やオーケストラの知識がなくても劇中いろいろな豆知識がセリフに織り交ぜられているので音楽入門編としても楽しめますよ。
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そして本作の公開を記念して、2/8(日)シネマイクスピアリにて小林聖太郎監督をお迎えしての舞台挨拶が決定しました!
映画を観た後に撮影時の裏側話などが聞ける貴重な機会です。ご来館を心よりお待ちしております!

【開催日時】 2/8 (日) 10:10 の回
本編上映後、舞台挨拶実施(13:00 終了予定)
【登壇者】小林聖太郎監督、井手陽子プロデューサー(予定)
【チケット発売】 1/31 (土) 9:30〜
劇場窓口/オンラインチケット「Myシート・リザーブ」にて一斉発売!

By.M
(C)2015『マエストロ!』製作委員会 (C)さそうあきら/双葉社

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