『マダム・イン・ニューヨーク』

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皆さんこんにちは、女住人Mです。今回ご紹介する作品は自分を愛することを忘れていたあなた、そして誰かに愛されていることに無関心になっていたあなたにお届けします、6/28(土)から公開のインド映画『マダム・イン・ニューヨーク』です。
インド映画と言えば、ダンスシーンでの大団円やストレートな喜怒哀楽展開といった要素を思い浮かべる方も多いと思いますが本作はそういった一般的なインド映画の要素はちょっとしたエッセンスとしての演出に押さえた軽やかな作品になっています。
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 主人公のシャシ(シュリデヴィ)は二人の子供と忙しく働く夫サティシュ(アディル・フセイン)のために尽くす、インドのごく普通の主婦。彼女の悩みは家族で一人だけ英語が話せないこと。そんなシャシがNYに住む姪の結婚式の手伝いをするために家族より先に単身渡米することに。英語が出来ないことをコンプレックスに思っているシャシは失敗を重ね落ち込むのですが、一念発起しNYの姉たちにも内緒で英会話学校に通うことにします。
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 シャシを演じるシュリデヴィさんはインドでは国民的な女優さん。でも結婚を機に女優業を休業し、その間二人のお子さんを授かり、良き妻・母として過ごしていました。が、本作で15年ぶりに復帰!現在50歳だそうですが、スクリーンでアップになっても本当美しい、惚れぼれする美女です。シャシは綺麗だし、お茶目だし、料理上手、母として妻として完璧過ぎるほどの女性なのですが英語が出来ないことで、ちょいちょい家では小馬鹿にされると言う、「なんとも失礼しちゃうわっ」な設定です。お国柄と言うのもあるでしょうが、旦那さんはシャシのことを何も出来ない妻だと思っている。子供たちも自分たちの母親が古風に思えて恥ずかしいとすら思っている。家族の中で対等という位置にいないシャシも次第と自分は人生の主役になる人でなく、誰かの人生の脇役にあることがベストなんじゃないか、とさえ思っています。
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でも、初めて一人でNYに行き、全く違う環境に自分を置き、自分のことを誰も知らない地で暮らす事になり、旅の恥はかき捨て?!的に英会話学校に行く決心をします。それは人を女性だから、主婦だから、母親だから、といった外見で判断するのでなく、その人そのものを見ようとするアメリカらしさ、NYらしさに触れたからと言うのもあるでしょう。ここでならちょっと自分を出したいかも、出せるかもとシャシは勇気を貰い、そして英会話学校で出会うこととなるいろんな人種、性別、職業、理由でやってきた仲間たちと過ごすことで、打ち消していた自信を次第と取り戻していくのです。
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 そう、この映画は日常生活の中で例えば妻役、母親役といった役割だけを求められ脇役として生きていた女性が、自分の境遇の中でしっかり主役として生きることを知り、人生のきらめきを取り戻す物語なのです。だから、おうちで奥さんにそういう扱いをしている旦那さんはこれを観て反省ですよ〜(笑)いや、そういうフラストレーションがたまっている女性は「なんか良い映画らしいわよ〜。女優さんも綺麗だし一緒に観ましょうよ」と旦那さんを誘って逆襲しましょう!
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 そして私は妻でも母でもないので、ギャフンと言わせる相手もいませんでしたが、何かと世話をやいてくれる母親をついつい疎ましく思って、無下な態度をとってしまうシャシの娘に自分を重ね、猛反省なのでした・・・「あ〜お母さんごめんなさい。」

『マダム・イン・ニューヨーク』は6/28(土)から、関東圏内では銀座の劇場とシネマイクスピアリのみの限定公開です!
是非、スクリーンでお楽しみ下さい。

By,M
(C)Eros International Ltd.

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