『渇き。』

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 皆さん、こんにちは!女住人Mです。今回は6/27(金)公開の『渇き。』をご紹介します。本作はミステリー小説のブックランキング“このミステリーがすごい”で大賞を受賞した深町秋生のデビュー作「果てしない渇き」の映画化作品。しかも監督は「下妻物語」「嫌われ松子の一生」「パコと魔法の絵本」そして「告白」と常に新作が期待され、かつその期待値を華麗に上回る作品を作り続ける中島哲也監督です。
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 物語は元刑事・藤島(役所広司)の元に離婚した妻から失踪した娘・加奈子(小松菜奈)を探してほしいと連絡が入ることで動き始めます。成績優秀、容姿端麗、高校でも目立つ存在の加奈子が突然いなくなる理由が藤島には全く思いつきません。が、娘の交友関係を探っていくと、そこで語られる加奈子は藤島が全く知らない加奈子なのです。一方、3年前。ひどいイジメにあっていた中学生のボク(清水尋也)は彼女に恋をし、以前加奈子が付き合っていた緒方のような男になりたいと願うようになります。加奈子の失踪の謎、加奈子を追う藤島、そしてボクの物語が交錯し次第と語られる真実は狂気の世界へと誘われていきます。
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ある少女の失踪により次第と明らかになる彼女の闇、そしてそれを追う父親の闇、少女を慕う少年の闇と、この映画にあるのは闇、闇、闇と真っ暗です。そこから真実という光が照らされた時に露呈されるものは救いではなく、あるのは狂気。ダメで最低な人間でありながら、ないものねだり的に絵に描いたような幸せをただただ願う父親。しかし、娘の真実を知っていくうちに、自分の人生はやっぱり空っぽでしかないことを確認するだけとなりさらに狂気に憑りつかれます。娘・加奈子も普通の少女だった。でもあることをきっかけに闇に憑りつかれるのです。それは彼女が純粋だったが故の暴走です。そしてそんな加奈子を好きになるボクの純情も同じなのです。無垢な人間の心が狂えば狂うほど怖いことはない・・・それをガッツリ見せつけるのが本作です。
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 特に加奈子を探す父親を演じる役所広司さんの演技は圧巻です!映画、ドラマ、CMと安定の演技と最近ではコミカルな一面も披露する日本を代表する役者の一人なのは周知の事実。役所勤めをしていたことがあるから役所という芸名が与えられただけあって、マジメな役がお似合いの役所さんですが、彼は良い人を演じる時よりも極道だったり、ギラギラ&ギリギリの人間を演じた時の方が断然かっちょいいんです!

プレイベートではとても穏やかな方だと聞いているので、役者なだけに自分と全く違うものを表現する時にこそ燃えるんでしょうか?と、言う訳で私的には一番観たい役所さんがスクリーンの中にいるのでもうテンションが上がらない訳がない。ダメでクズだった父親が闇を進み、絶望し、発狂し、その過程で父親になっていく。本作はある意味役所さん版映画「そして父になる」なのです。憧れの上司を絵に描いたような優しいお父さん風な役所さんがお好きな方も是非、役所さんのギリギリ演技をご堪能下さい。
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(私の中では汚れてからこそが“役所広司”なのです。)

 その過激さから映像化不可能と言われていた本作ではありますが、狂気を時にポップに時にリアルに時に限界以上に描く中島監督の世界観は一見の価値ありです。主人公加奈子を演じる小松菜奈ちゃんも普通の10代でこれが初映画なのに、スクリーンの中ではもう加奈子以外の何ものでもないのです。中島監督の演出力は驚愕の域です。そして脇を固める役者陣も強者揃い。是非、スクリーンで圧倒的な映画体験をお楽しみください!
公開当週の6/27(金)〜7/4(土)の8日間は高校生〜大学生は1000円でご覧いただけまよ〜!

By.M
(C)2014 「渇き。」製作委員会

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