『キャプテン・フィリップス』

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 皆さんこんにちは、女住人Mです。もうすぐ師走に突入ですね。慌ただしくなる時期ですが、映画もバンバン公開されますのでお忘れなきように〜!
今回ご紹介するのは本作のキャンペーンで久しぶりの来日も果たしたトム・ハンクス主演11/29(土)公開の『キャプテン・フィリップス』です。
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 トム・ハンクスが演じるのはオマーンの港からケニアへ、5000トン以上の援助物資を運んでいたアメリカ籍のコンテナ船マークス・アラバマ号の船長フィリップス。しかし、乗組員20人のこの船はわずか4人のソマリア海賊に占拠されてしまいます。しかもフィリップス船長は乗組員を救うため、自らが人質に・・・ついには海軍特殊部隊ネイビーシールズが救出に乗り出し、アメリカ国家の威信をかけた闘いとなります。
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 本作は2009年4月、実際に起きた事件の映画化です。映画の冒頭は、奥さん(キャサリン・キーナー)に見送られフィリップス船長がアラバマ号に乗り込み、航海に出発する所から始まりますが、ほぼ物語序盤で海賊たちに襲撃を受けます。ここから映画が終わるまでの約2時間、始終手に汗握る緊張の時間を過ごすことになるとは・・・・
 本作は「ジェイソン・ボーン」シリーズ2,3作目のポール・グリーングラス監督の最新作。リアリズムを追求するアクション演出のうまい監督として有名ですが、「ユナイテッド93」や「グリーン・ゾーン」といったドキュメンタリータッチな手法で社会派ドラマを描く監督としてもその才能を認められています。これらの作品をご覧になった方ならわかる通り、映画を観ている間、本当に自分もその映画の中に入ってしまったと錯覚するぐらい、臨場感とリアリティ溢れる作品を作る監督さんで、本作でもそのグリーングラス節はバンバン炸裂!映画を観ている間は自ずと体に力が入り、呼吸をするのを忘れ、観終わるとヘトヘトになるぐらいの緊張感です。いや〜毎度ながら、本当に素晴らしい演出力です。
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 そして占拠するソマリア人の海賊たちがたった4人なのにこれがまた凄い存在感なんです。リアリズムにこだわるグリーングラス監督は演技未経験の彼らをオーディションで抜擢。実際にソマリア人の若者たちだそうですが、よくこの顔の面々を集めたな、と。
確かに主演のトム・ハンクスの演技は光ってます。最近のどの演技よりリアリティもあり、キャプテンそのものだし、生と死のギリギリの駆け引きをするその様は今度のオスカーで主演俳優として名前が上がってもおかしくありません。でもその大スターに全く引けを取らないのが海賊たち、特にリーダー的存在のムセ(バーカッド・アブティ)の顔!もうこの顔を見付けてきただけでアッパレ。その上、トム・ハンクス級のスターが出ればトム様映画になりがちですが、最後までフィリップス船長+乗組員VSソマリア人海賊(途中からネイビーシールズ参戦)と言う図式でいく感じもグリーングラス演出によるものだと思われます。
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(この顔が全てを語っている!!)

 映画の途中でも語られますが、そもそもソマリア海賊たちは漁師です。豊かな自国の漁場であるソマリア沖で魚を捕っていたのに、内戦のために無政府状態になった途端、外国の漁船にこの地を荒らされてしまいます。もともとはこれを追い払うために武器を手にした漁師たちが、貧しさと荒廃しきった暮らしの末に内戦で力をつけたギャングの配下のもと海賊になるしかなかったと言う・・・。こういった背景もしっかり捕え、ただ海賊たちを悪として描くたけでなく、世界的な縮図の中にこの事件が起きていることをしっかり描くところもグリーングラス、さ・す・が!なのです。物語の最後にことさらにお涙ちょうだい的な演出をすることなく、(奥さんにキャサリン・キーナーを使っておきながら!)映画を終わらせることで、この映画を観た後の満足感はさらに高まるのでした。

By,M
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

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