『そして父になる』

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どうも、お久しぶりです。まもなくコジレ島に上陸間近の女・Sです。
いや〜もうすっかり秋ですね〜。何だかちょっぴりおセンチな気持ちになってしまうこの季節。そんな時には心に染みる映画を!ということで、イケメン大好物(笑)アラサー女子2人で公開と同時に大ヒット中の映画『そして父になる』を早速観てきました。同僚の感想と合わせて、これからご紹介したいと思います!
公開中ということで、少々のネタバレはご容赦ください!これから本作を観るのを楽しみにされている方はご注意くださいね。

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大手建設会社に勤め、都心の高級マンションで妻と6歳になる息子と3人で暮らす野々宮良多(福山雅治)。“自分は完璧な人生を送っている”と信じて疑わなかった彼は、ある日突然、6年間育ててきた息子が病院で取り違えられた他人の子供だったという衝撃の事実を突きつけられるのです。そして初めて会う、見知らぬ“実の子”。血の繋がりか、それとも共に過ごした時間か。苦悩と葛藤の末に良多が出した答えとは・・・。

主人公を演じるのは、幅広い世代の女性から圧倒的な人気を誇る福山雅治さん。私は特にあのセクシーな声が大好きで、も〜声を聞いてるだけで幸せ。そんな年を重ねるごとに魅力が増す一方の福山さんが、本作では何と初の父親役に挑戦しているんです!それもちょっと残念な父親。
父・良多(福山さん)はもともと優しすぎる息子の性格にちょっぴりもどかしさを抱いていたわけですが、その息子が他人の子供だと分かると、とたんに妻には「やっぱりそういうことか」とつぶやき、さらに相手方の夫婦には「まとまったお金を用意するから2人ともこっちに譲ってくれ」と持ちかけたりします。いやいや、それは言っちゃダメでしょう・・・とツッコミせずにはいられないKYムードです。でも福山さんファンの皆さん、ご安心を。もちろんこのままでは終わりません!
そんなダメダメだった福山さんも、2人の子供と過ごす時間の中でさまざまな感情と向き合い、少しずつだけど考え方が変わっていきます。そして大切なことに気づいた福山さんが最後に息子(今まで育てた方)と向き合うシーンは、もう涙が溢れて止まりませんでした。是枝裕和監督は「この作品で今まで見たことのない福山さんの魅力を引き出せた」と語っていたそうですが、それは間違いありません!新たな雅治の魅力をぜひスクリーンで確かめてください!!

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(こんなに素敵な40代、なかなかいませんよね!)

そしてこの作品で忘れてはならない人がもう1人。それは福山さん演じる良多とは全く正反対で、お金はないけど愛がある!子煩悩な父親を絶妙に演じたリリー・フランキーさんです。あの独特な雰囲気がたまらなく魅力的〜。この作品はテーマがテーマなだけに重い感じがずっと続くのかな〜と思っていたんですが、全然そんなことはありません!リリーさんが登場するシーンは必ずと言っていいほど笑いが起こるので、思わずほっこり。どんな時でも飾らず、気取らず、真正面から子どもたちと向き合う姿は本当に自然で、やさしい気持ちにさせてくれます。

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(リリーさんはあのビッグダディを父親役の参考にしたらしいです・笑)

映画を観ている間、私はずっと「もし自分だったらどうするだろう・・・」と考えていましたが、いくら考えても答えは出ませんでした。ただ私にとって心に残る作品だったことは間違いありません。

さて、ではここでブログ初登場の同僚Tさんにも熱く語ってもらいますよ!どうぞ〜。

◆同僚T 登場◆

皆さん、おじゃまいたします。『そして父になる』、本当にいい映画でした。私も観る前はもっとメソメソした内容なのかと想像していましたが、そんなことはなく、笑ってしまうシーンも結構多かったです。逆に「あ〜、案外泣けないなぁ・・・」とまで思ったりして。でもストーリーが進むにつれて・・・ありました。涙スイッチ。スイッチを押してきたのは、こんなシーンたちでした。

取り違えの事実を知った二組の家族は、やがて子供を交換して互いの家に泊まらせるようにするのですが、ある時、良多(福山さん)の家に来ていた実の子供がこっそり今まで育った家に帰ってしまう場面があります。そしてその子を再び連れて戻った後、尾野さん演じる奥さんに言った「俺も抜け出したことがあるんだ・・・」という一言。実は良多が育った家庭にもちょっと複雑な事情があって、それをふまえての発言なのですが、私にはその時に良多が「この子はやっぱり自分の子だ。自分と同じ血が流れているんだ」と、改めて実感したように思えました。それと同時に多分、「この子にお父さんだと認めてもらいたい」と思ったのではないでしょうか。

別のシーンでは、マンションのベランダにテントを張って楽しそうに過ごす、良多たち親子3人がいます。血の繋がった親子です。「あ〜、少しずつだけどこうやって家族になっていくのかぁ」と思った矢先、子供は流れ星にお願いをするのです。「お父さんとお母さんのところに戻れますように」。ここで言う「お父さんとお母さん」とは、もちろん育ての親であるリリーさんと真木さんのこと。・・・切ないですね。でも、子供にとっては今まで暮らした両親以外に「お父さんお母さん」と呼べる人がいないのも分かるし。意味もわからず違う家に連れてこられた子供の気持ちを、大人たちは無視するのか?!おい、そんなに血が大切なのか?!・・・と、立場を変えて考えるとまた涙。

そしてラスト近く、福山さん演じる良多がカメラに残る写真を見返しているシーンがあります。そこには知らない間に撮られていた自分の写真があったのですが、それを撮ったのは実は・・・。このシーンでいよいよ涙のダム、決壊。ここで彼はやっと、育ててきた子供から自分がどれほど愛されているかを知り、また自分自身も(血は繋がらない)その子をどれほど愛しているか、実感したのでしょうね。

映画を観終わって、タイトルの意味が分かりました。
「そして父になる」
育ててきた子供の・・・父?
血の繋がった子供の・・・父?
そうではないのです。子供が愛おしい、かけがえのない存在なのだと気づき、その子供のために無償の愛を注ぐこと。形だけの『父』から本当の意味での『父』になることなんだ。私はそう思いました。

観る前はテーマの重さが少し引っ掛かったりもしていたのですが、そんな方々もご心配なく。私は本当に観てよかったです。皆さんにも自信を持ってオススメします!

◆同僚T 退場◆

第66回カンヌ国際映画祭では10分以上にわたるスタンディングオベーションが巻き起こり、審査員賞を受賞するなど、海外でも高い評価を得ている本作。ハリウッドリメイクも決定しましたしね。『そして父になる』旋風はまだまだ止まりません!ぜひお見逃しなく!!

By.S

©2013『そして父になる』製作委員会

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