『セレステ∞ジェシー』

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 皆さんこんにちは、女住人Mです。ホラー映画をご紹介した先週と180度方向転換、今回は5/25(土)からシネマイクスピアリにて公開する「セレステ∞ジェシー」(と書いて『セレステ アンド ジェシー』)をご紹介します。
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 主人公のセレステ(ラシダ・ジョーンズ)は自分で会社を経営しちゃうぐらいのバリバリのキャリア女史。学生時代からの付き合いのジェシー(アンディ・サムバーグ)と結婚して6年。しかしジェシーにあまりにも向上心と甲斐性がないので「一生の伴侶じゃないわ」と離婚を前提に只今別居中。が、そんな二人の関係性がちょっと変なのは二人の仲が良好なこと。セレステは最高に気の合うジェシーとは“永遠の友だち”でいることを決め、そんな関係性に満足していたのですが、ジェシーに恋人が出来たことを知ってから一転、とんでもなく動揺!さぁ、二人の関係は如何に〜!?と言う物語です。

 引っかかるのはセレステとジェシーが離婚前提で別居中なのに、超仲良しって何それ?問題。劇中、友だちからも「そんなに仲良しならずっと一緒にいるか、離婚するって決めたなら早いとこしちゃいなよ!」と激怒され、映画を見ているこっちも「そーだよ、そーだよ。いやむしろ別れんなよ〜」と思う訳です。よく、夫婦(恋人)は笑えるツボが一緒だと良いみたいな事を言いますが、二人がお下品なジョークを言い合って、キャッキャしているところなんてまさにそうなんです。でも、セレステはジェシーに恋人がいると知ったとたん、それまで無敵女史だったのに、いろいろ後悔し始め、急にダメダメになり下がります。仕事はミスるし、お酒にはのまれてくだを巻くし、腹いせにデートをしてみた所でうまくもいかないと空回りしまくりです。でも、そうなる原因を作ったのはセレステが離婚を言いつけたことが発端な訳ですが、この映画を見ていると、そこに至る二人の関係性がどうだこうだ、と言うよりも、セレステみたいに全てを自分の思い通りにやってきた女性が如何にこういう落とし穴に落ちやすいかを描いたんだな、と思えます。

セレステはキャリアもあって自身の才能を活かして何でもやってきている女性です。いつも自分も他人もコントロールして生きているから、自分がコントロールしたこと以外のことが起こると動揺し、全くもって弱くなる。しかも、下手に賢い女史なのでプライドは高く、なかなか他人を認めようとしない。立っているのは自分の足だけと思い込んでいる。だからこそ劇中、仕事でヘマをした時にある若い子からお見舞いされる一言が図星過ぎて、カチ〜ンとくる訳で・・・・。そんなセレステの気質を甲斐性や向上心はなかったかもしれないですが、ジェシーは何気にわかってたんじゃないかなぁ〜。
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(ハーバード大卒のラシダさんは本作の脚本と製作総指揮もこなす、セレステを地で行く才女。しかも父ちゃんはマイケル・ジャクソンの「スリラー」のプロデューサーでもお馴染みのクインシー・ジョーンズだ!むっちゃ、セレブやん!)

 昨今、「自分らしさ」みたいなワードは重要視されていて、いやしない“自分探し”をしまくったり、“自分が自分であるための正しさ”みたいなものに固執しがちだと思いますが、それって必ずしもHappyな方向へ自分をいざなってくれるかと言われると、そうでもないんじゃないかな、と『セレステ∞ジェシー』を見て思ったのでした。

 セレステを演じたラシダ・ジョーンズのインタビュー記事を読んだら「ラブコメ映画は好きだけど、“仕事は上手くいっているのに男がいないのが欠点”と言う女性の描き方が多いでしょ。仕事が邪魔して恋愛がうまくいかないんじゃなくて、実際には本人に欠点があるのよ。だからそう言うことをきっちり描きたかったの」みたいなことを言っていて、ガビ〜ン!ですよ。
いや〜、ラシダさん鋭いですわ。これを読んで、ガビ〜ンと来たあなた、必見です!
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(映画のキャンペーンで来日したラシダさんの直筆メッセージ入りのポスターも劇場にあるよ★日本語の字も可愛い!)

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