『ワン・デイ 23年のラブストーリー』

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突然ですが、「男女間の友情は存在しない」派の男住人Aです。皆さん、こんにちは。今回、自分でも思いもよらない映画をご紹介するために、久々に登場しました。その名も、6月23日(土)公開の『ワン・デイ 23年のラブストーリー』。主演はアン・ハサウェイとジム・スタージェス、原作小説はイギリスなど世界中でベストセラーになっているそうです(すみません、知りませんでした!)。

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(こちら、「男女間の友情は存在する」派の若き二人。いやいや・・・。)

そもそもこの作品、「23年の〜」というサブタイトルからして、誰がどう見てもベタベタラブストーリーであることを予感させます。主演俳優も若くて絵になる、いかにもラブストーリーっぽいお二人。おまけに監督も女性。・・・ここまでくると、三十路を過ぎたおっさんの僕などは、作品の方から「お前は観なくてよし!」と拒絶されているような気分にさえなってきます。そんな卑屈な被害妄想をたっぷり抱えたまま、この作品を観た僕だったわけですが・・・オドロキました。面白いのです。ビックリです。やっぱり映画というものは、観てみないと分からないものですね。反省。

さて、ではどこが面白いのか?面白いといっても、当然ながら別にコメディではありません。ストーリーの本筋は確かにラブストーリーです。1988年、主人公二人が大学の卒業式で出会うところから映画は始まり、そこから23年後の2011年まで、近づいたり離れたり、「友達でいよう」と言いながら何だかんだでイチャイチャする色男と美女のカップル。ラブストーリー好きな方は、その辺の成り行きを追うだけでも十分楽しめることでしょう。
しかし、当然ながらその23年という歳月には、恋愛以外にも色々な出来事が起こります。夢を諦める瞬間があったり、またある時は調子良く進む人生を甘く見たり。さらには自分が過ごす23年間に同じだけ老いていく親との関係もある。楽しかったり、辛かったり・・・。この映画では、青春時代を過ぎようとする人々が誰しも経験する出来事やそれに伴う感情が、二人の恋愛と同時進行で丁寧に描かれていくわけです。僕がグッときたポイントは、まさにそこでした(もちろん、そういった出来事は恋愛とも相互作用の関係にあるわけですが)。そして色々あった二人の23年間を観終えた時、年齢を重ねることの素晴らしさや、それでも続いていく人生の味わいみたいなものが、僕にジワジワ〜と迫ってきたのです。・・・感動。

映画というのは公開される前に宣伝のために試写会が行われるのですが、この作品の会場では女性に負けず男性からの反応がとても良いそうです。それらの方々が僕と同じような感想を持っていたかどうかは分かりませんが、少なくともこの作品は単なるありがちなラブストーリーでも、女性だけに向けられた映画でもありません。僕のように恋愛モノは興味なし!というあなたも、普段はアクション映画や社会派ドラマしか観ないよ!という硬派なあなたも、スルーしてはもったいない一作です。

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(で、結局二人はくっ付くの?・・・というところは映画館でご確認を。)

ちなみにチラシには「衝撃と涙のラスト15分」と書かれてますが、恐らくその「衝撃と涙」が過ぎた(と思われる)本当の本当のラストシーンが、僕にとっては忘れられない名シーンでした。それはもしかしたら、単なる男の願望なのかもしれません。ネタばれになりそうなのでここでは語りませんが、皆さんがあのシーンをどう感じるのか、とても興味津々です。

By.A

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