『ザ・ウォーク』

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 高い所は大好きな女住人Mです。
さて今週ご紹介するのは命綱なし、無謀な綱渡り(ワイヤー・ウォーク)に挑む男の姿を描く1/23(土)公開『ザ・ウォーク』です。
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 主人公は幼い頃からサーカスの綱渡りに魅了され、ワイヤー・ウォークを学んだフィリップ・プティ(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)。ある日彼が目にしたのはニューヨークのツインタワー、ワールド・トレードセンター建設の記事。完成すれば世界最層のビルになるこの屋上と屋上の間、地上411メートルにワイヤーを架け、命綱なしに歩く・・・危険な上に違法なこの行為にフィリップは夢を馳せ、誰も考えついたことのない挑戦に挑むのです。

 実在のワイヤー・ウォーカー、フィリップの偉業!?を映画化した本作。"綱渡りは人生そのもの"と語るフィリップは小さい頃にサーカスに魅せられてからというものジャグリングやマジックをマスターし、高いものを見ればとにかく渡りたくて仕方がない、そんな青年に成長します。自由奔放な彼は自分の欲求にとにかく正直で頭の中はいつもワイヤー・ウォークで頭がいっぱい。度が過ぎて親からは勘当され路上パフォーマーとして生計を立てることとなります。1971年についにはパリ・ノートルダム大聖堂の2つの塔の間のワイヤー・ウォーキングを成功させるも、不法侵入により逮捕。でも"犯罪者"のレッテルを貼られたぐらいで彼の挑戦が終わることはなく、ワールドトレードセンターの入居開始の記事を見付け、大きな夢のために渡米します。
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 しかし、もちろん許可なし、命綱なしでやる無謀なチャレンジ。そう簡単に出来ることではありません。この野望を実現化させるためにはフィリップは建設中の建物を徹底的に調べ上げるべく、あらゆる手段を使ってもビルにもぐりこむのです。もうなんでそこまでするのか?高いところを命綱なしで渡りきったところで何があるのか。凡人からするとそんな疑問が常に頭をよぎるのですが自分の欲望にただまっすぐに突き進むフィリップを見ているとだんだん彼が崇高な人に感じられるから不思議です。
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フィリップにとってのこの挑戦に確たる理由や大義なんて本当はないのかも?狂人となんとかは紙一重的なところを行き来しているだけの無謀な人間なのかもしれない・・・それでも人間離れしたこの神業をやってのけるフィリップの姿を、ビルの下で固唾を飲み見守る通行人も、彼をどうにか止めさせたい警備員、警察官も、次第と「無事に渡りきってくれ」と願うことになるのです。彼の「渡りたい!」そんな純粋な思いがこんな行為を神格化させる。本当に不思議なことです。
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 そしてそんな彼のワイヤー・ウォークを実際に見ているような、はたまた自分も地上411メートルの綱渡りをしているかのような感覚にさせたのは最先端の視覚効果技術!メガホンを取るのは映像表現の可能性を常に追い続けてきた(「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の)ロバート・ゼメキス監督。本作は3D映画ですがその効果を計算し尽くしていて正直、高所恐怖症の方は観るのがかなり困難な部類の映画かもしれません。もうそれほどリアルな映像でこの時のフィリップの行動を、それを見ていた人の感情を追体験出来ることは間違いなしです。

 なぜ男は命綱なしのワイヤー・ウォークに挑むのか。そこにはただ彼のロマンがあるだけだ。
それでも充分なような気がしてきました。失神系3Dを映画館で是非、体感してくださいね!
By.M
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

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