インデペンデント系映画: 2014年8月アーカイブ

『ザ・マペッツ2/ワールド・ツアー』

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 皆さんこんにちは、女住人Mです。今回は個人的に気合い入りまくりの作品をご紹介いたします。
9/6(土)公開の『ザ・マペッツ2/ワールド・ツアー』です。
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 皆さん“ザ・マペッツ”ってご存知ですか?マペッツはマペットの複数形でそもそもセサミストリートの生みの親でもあるジム・ヘンソンが考案したマリオネットとパペットを合成したキャラクターです。1969年に始まった「セサミストリート」で一躍人気者になったマペットですが1976年から1981年まで放映された「ザ・マペット・ショー」でさらに人気を博し、このショーに出演していたマペットたちを“ザ・マペッツ”と言います。カエルのカーミットは「セサミストリート」と「ザ・マペッツ・ショー」両方に出ていたんですよね。それまで長きに渡って愛された“ザ・マペッツ”は同名のタイトルの映画が日本でも2012年に公開、これが実に7本目にして初の劇場公開作品だったのです。私はそれまで“ザ・マペッツ”にそこまで思い入れがなかったのですが、この映画を観た途端たちまち大大大ファンになり“ザ・マペッツ”の虜になりました。
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 前作は一時期忘れられた存在となった“ザ・マペッツ”が再び、ショービジネスの世界に舞い戻って来るという半ば自虐ギャグのような展開。しかも、主人公は人間のゲイリー(ジェイソン・シーゲル)とマペットのウォルター、二人は兄弟というトンデモ展開でありながらも、そんな設定を華麗にスルーする潔さと冒頭からエンディングまで繰り広げられる素敵なミュージカルナンバーにズキュンバキュン!とやられちゃた訳です。一度は負けそうになった彼らが仲間たちと力を合わせ再起をかける姿に涙し、ゲイリーとウォルターの兄弟愛に涙し、そんな仲良し過ぎる二人に嫉妬する恋人メアリー(エイミー・アダムス)に切なくなり、“ザ・マペッツ”の復活を邪魔する悪いヤツらをやっつける“ザ・マペッツ”たちを応援し、彼らをサポートするファンの心に自分の想いを重ねまくったのです。

Blu-rayが出れば“ミーパーティー(発音はみ〜ぱ〜りぃ〜)”三昧。(=劇中でメアリーが歌う曲になぞらえて、「ザ・マペッツ」を心ゆくまで鑑賞するの意です)劇中歌はアカデミー賞歌曲賞を受賞し、映画の大ヒットを受け決定した続編を今か今かと待っていたのです・・・・が、な〜んと日本公開のアナウンスが一向にされない!ガビ〜ン、ガビ〜ン。それはもう前作さながら、ザ・マペッツはまたもや忘れられる存在になる危機に!!もう我慢が出来ず、私はアメリカで観ちゃいましたよ。そして新作『ザ・マペッツ2/ワールド・ツアー』はさらに彼らの結束が試される笑いと涙と感動のそしてスリル満点の1本であることを知るのです。これは前作で彼らが力を合わせ“ザ・マペッツ・ショー”を復活させたようにシネマイクスピアリだけでも公開は出来ないものか!!と神さまにお祈りした結果!?拾う神現る、なんと全国2館ではありますが劇場公開決定です!いえ〜す!いえ〜す!み〜ぱ〜りぃ〜!と、言う訳で本作も無事劇場公開の巻です。
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今回は前作で再び結集した“ザ・マペッツ”がワールド・ツアーを始めますが、そこでありえない犯罪計画に巻き込まれます。なんとカーミットにそっくりの“最凶のカエル”コンスタンティンが彼らの絆を試すことに・・・もうハラハラドキドキな展開です。
しかも愛されキャラ“ザ・マペッツ”の元に彼らのファンであるスターたちもカメオ出演という形で集結。前作もハリウッドスターがたくさん登場していましたが、本作では二大歌姫レディ・ガガにセリーヌ・ディオン、ハリウッドからは映画ファンにはたまらないクロエ・グレース=モレッツ、クリストフ・ヴァルツそして、トム・ヒドルストンにジェームズ・マカヴォイとうひゃひゃなイケメン俳優たちの登場やその風貌からいつもは悪役になりがちなお馴染みの俳優陣が他の作品では決して観られないパフォーマンスで歌って、踊って贅沢にカメオ出演します。もう一度で何度おいしいんだ“ザ・マペッツ”!
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加えて前回に負けず劇中のミュージカルナンバーも最高!それもそのハズ、「アナと雪の女王」の映画音楽を手掛けた作曲家のクリストフ・ベックが担当です。今回も映画を観終わったらサントラがほしくなること間違いなしですよ。
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(カーミットがふたりいる?!)

しかも3つのお楽しみ情報もあります!
★9/6初日イベント (お陰様でチケットは完売いたしました。)
<当日のスケジュール(予定)>
15:00〜15:05 前説
15:05〜16:50 『ザ・マペッツ』上映(1時間42分)
16:50〜17:00 休憩
17:00〜17:30 トークショー(ゲスト:中井圭さん、花くまゆうさくさん)
17:30〜19:20 『ザ・マペッツ2/ワールド・ツアー』上映(1時間48分)

★君の推しマペはどのキャラクター?
 「第一回ザ・マペッツ総選挙」開催!

劇場入口に投票コーナーを設けていますので、お気に入りのキャラクターにシールを貼って投票してください。
初日イベントのトークショーコーナーで速報中間発表を行います!最終結果はこのブログで発表!

★マペッツビギナーさんは要Check!
 「マペッツリサーチアンケート」
アンケートの受付は終了いたしました。

さぁ、さぁ、9月はもう“ザ・マペッツ”色に染まるしかない。
シネマイクスピアリの入魂作『ザ・マペッツ2/ワールド・ツアー』は9/6(土)から公開です。

By.M
(C)Disney, All Rights Reserved, Muppets

『リトル・フォレスト 夏・秋』

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 皆さんこんにちは、田舎度合を競うと全国で2本指に数えられる県の出身、女住人Mです。
今回ご紹介する作品は私の田舎と同じように自然豊かな地、東北のとある村を舞台にした映画『リトル・フォレスト 夏・秋』です。
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 主人公のいち子(橋本愛)は東北地方の小さな集落、小森で一人暮らしをしています。近くにスーパーもコンビニもない小森での生活はほぼ自給自足。生きるために食べる、そして食べるために自分で作る。全てがひとつながりになったシンプルな暮らしの中でいち子が自分の生き方を見つめ直す物語です。
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(若いけれどたくさんの映画・ドラマに出演している橋本愛ちゃん。そんな彼女のベスト・アクトが本作です!<私、調べ>)

 さて、世の中的に一時期“スローフード”、“スローライフ”なんて言葉ももてはやされ、ポージングだけの「ビバ!田舎での贅沢な暮らし」みたいな風潮がブームになりました。でも田舎育ちの私は企画だけが先行するようなこのブームを「田舎なめんなよ」とどこか苦々しい思いで見ていました。やっぱり田舎で暮らすってことはとっても大変な訳です。多分、未だにうちの田舎には半径10キロ圏内にコンビニはありません。この季節、夜になれば虫が鳴いて風流だわ〜と思う余裕もなく、明かりにむらがってくる蛾やらアブやらと格闘。冬になればとんでもなく雪が降り積もり一晩にして我が家が陸の孤島化してしまう。もう不便極まりない訳です。田舎の暮らしは決してスローなんかじゃなくむしろ“ハードなライフ”なんです。

そんな思いがある私は「格好だけ取り繕ってたら承知しないわよ」と思いながらこの映画に臨んだのですが、終わってみれば本作、もうとっても素敵な映画でした。映画の始め、いち子が抜いた雑草が次の日には芽を生やしているのを見て「ぞっとする」と表現します。このシチュエーションを「草木はやっぱり生命力が逞しいのね」とか言われたらそれはそうなんですが、生活をする人にとってみれば「ぞっとする」ものでもあるのです。自然はそう優しいものなんかじゃないんです。
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その一方で自然が与えてくれる恵みにいち子は敏感です。秋に実を付ける赤いグミの木。苦いその実はそのままだと食べても美味しくはないのでいち子はジャムにします。実がなっても誰も取ってくれないから地面に落ちて朽ちるだけのグミの実。それを毎年繰り返すグミの木。グミの木のそんな成長のサイクルを見ていち子は「つみかさねたことはみんな無駄だった。そんなのって寂しいわね」とぼやきながらも、ジャムにしたことで美味しく食べられるようになったグミの実をバゲットに付けて頬張る。そしていち子はグミの木の成長と自分の成長を重ねてみる・・・
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 劇中で多くは語られませんが、都会に一度は住んでいたいち子が一人田舎の小森に戻り、逃げ出した人生と向き合うようになっていく。小森の生活の中で何かを見付けていく。生きる=食べる=作る、が上っ面でなく、丁寧に誠実に語られる本作は、ちょっと疲れたな〜と感じる人の心をきっと豊かにしてくれると思います。
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 食事を食べる時に私たちはその食材を作ってくれた人、食事自体を作ってくれた人に対して「いただきます」と言いますが、きゅうり、青菜、さつまいも、岩魚、鴨と様々な自然の恵みを食べて毎日を生きるいち子が「いただきます」を言うのを見て、その言葉には「命、いただきます」と言うことでもあったのだな、と今さらながらに感じたのでした。
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 いち子を演じる橋本愛ちゃんは「あまちゃん」で能年ちゃんと並んで人気者となりました。彼女はまだ18歳なのですが、実際料理もみっちり練習し、習得し、この映画の中でしっかりいち子になっているのがとっても印象的でした。『リトル・フォレスト夏・秋』は8/30(土)からの公開です。夏編を1時間、秋編を1時間の2本立てで1本の映画として上映すると言うちょっと変わった形態で、2/14(土)から「冬・春」が上映されます。ひと足先にこの映画を観させて貰った私は今からそちらの公開も楽しみです!

(C)「リトル・フォレスト」製作委員会
By.M

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