インデペンデント系映画: 2014年9月アーカイブ

『ジゴロ・イン・ニューヨーク』

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 皆さんこんにちは、女住人Mです。9月に入り、秋の気配も感じられるようになりました。夏休みはどうしてもファミリー映画が多めに公開されますが、これからの季節は怒涛の大人な映画の公開ラッシュになります!お待っとさんでした!
今回ご紹介する作品は9/6(土)からシネマイクスピアリで公開する『ジゴロ・イン・ニューヨーク』です。
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 主人公はブルックリンで代々続く老舗の本屋をつぶしてしまったマレー(ウディ・アレン)といい年をしてアルバイトを転々とするフィオラヴァンテ(ジョン・タトゥーロ)。無職になってしまったマレーはフィオラヴァンテをジゴロに仕立て上げ、男娼ビジネスをスタートさせることを思いつきます。フィオラヴァンテは最初、抵抗していたものなぜかジゴロ業がうまく運んでいき、女性たちを夢中にさせていくようになるのですが・・・・

 NYを舞台にウディ・アレンが登場し、何やら騒動が巻き起こる?と言われるとウディ・アレン監督作品と思いきや実は本作、昔「バートン・フィンク」でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞、最近だと「トランスフォーマー」シリーズにも出演しているジョン・タトゥロー監督・脚本作品。全編に流れるジャズやW主演となるウディ・アレンとジョン・タトゥローのシニカルでコミカルなトークに最初は「ウディ・アレン映画まんまだ〜」と思ってしまう方も多いかもしれません。それもそのハズ、タトゥーロの原案が友達づたいにウディの耳に入り、これをいたく気に入ったウディがあれこれ口を出し、いえアドバイスをし、最終的にはウディもこの映画に出演することに。二人の共同作品みたいな感じでしょうか。ウディは自身の監督作以外で俳優として出演したのは14年ぶりなのだとか。それぐらいタトゥーロのアイディアを気に入っちゃったんですね。
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今回ポン引きを演じるウディはいつも通りせわしなくしゃべりまくり、一方タトゥーロはオシャレな花屋で花を生けちゃったりする寡黙な男。ダメ男と言う共通点はありつつ、相反する二人はなぜか仲良しでジゴロ稼業を始めちゃうんですが、この絶妙なコンビ感が本作の魅力の1つでもあります。
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(ウディ・アレンがしゃべるだけで何であんなに笑っちゃうのか。)

 そして最初はウディ色が強く感じられますが、タトゥーロ扮するフィオラヴァンテがジゴロとしての隠された才能をメキメキと発揮し出すようになると、映画はイッキにタトゥーロ色に。彼はとりたててハンサム!フェロモンモン!という万人受けするような容姿ではないのですが、情熱的な女性には情熱的に、控えめな女性には控えめに、とお相手になる女性それぞれが失っている所にスマートにさりげなく、スルっと入っていける能力を持っていて、そのTPOに合わせたかのようなジゴロとしての振る舞いがとっても完璧なんですよね。私の持論として“男性は一芸”と言うのがありまして、男性は見た目とかよりもとにかく何かに1つ秀い出たものがあるだけでそれがその人にとっての魅力となり、それをアピール出来ている人が所謂モテ男だと思っています。フィオラヴァンテは女性のポッカリ感を瞬時に見抜き、埋める才能を持つ男性なのでジゴロとかしちゃうとたちまちモテ男になっちゃうんですよね。この映画、男性がご覧になるとモテの勉強になるかも!?
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(アラサー世代にとっての永遠のフレンチギャル・アイコンと言えば、やっぱりヴァネッサ・パラディ!
この映画の中では彼女の歌う曲が挿入歌としても使われていてそれがまた良い!)

 また、彼に心を解かされる女性として登場するシャロン・ストーン(今年56歳とは思えない!!)扮する女医と(ジョニデと離婚して正解なんじゃないかと思えてきた)ヴァネッサ・パラディ扮する未亡人というこれまた相反する女優陣もとっても魅力的。“女性の満足袋は無尽蔵”というこれまた私の持論の一つを体現したかのような二人。表面的には恵まれていない訳ではないのに、どこかポッカリ感を抱える女性が、フィオラヴァンテと出会ってどんな風に変わっていくかもお楽しみ下さい。

 この映画にはシニカルながらもコミカルで、笑いの中に寂しさがあり、それを包む優しさもあり、会話とバックに流れる音楽と役者たちの演技をただ観ているだけで何とも言えない幸福感に満たされる、そんなまさに大人が楽しめる1本なのです。
舞台となるブルックリンの街並みも映画のスパイスになっていてNY満喫映画としても楽しめますよ。

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By.M

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