M(コジレ島の女住人): 2014年7月アーカイブ

『るろうに剣心 京都大火編』

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 今回ご紹介する作品は2012年に公開され興収30億円を越える大ヒットを記録した大人気コミック原作の「るろうに剣心」の続編。
原作でも人気のエピソード「京都編」を2部作で公開します。先ずは8/1(金)公開『るろうに剣心 京都大火編』です。
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 私は「るろうに剣心」の漫画を読んだことがない、‘るろ剣・素人’なのですが、この映画の完成は本当に楽しみにしていました。それは単純に前作が面白かったのとこの作品からは「映画でやってやる!」という気合いがバリバリ感じられるからでした。監督は前作に続いて大友啓史さん。もともとNHK職員でありながら、映画を学ぶためにアメリカ留学をした経験を活かし、斬新な演出をドラマで取り入れ「ハゲタカ」や「龍馬伝」で名をはせたことでも有名です。そんな大友監督なので前作の時から映画館で観られることを念頭に置いた絵作り、演出をされてきた訳ですが、その前作が30億円と大ヒットして既に結果が出ての続編なので、それはもう気合いが入りまくりな訳で、しかも今回はなんと製作費だけでも30億円かかっていると言う・・・
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その結果、そんな製作費を見事に活かした映画になっていたので、もう「凄い!」と言うしかありません。少ない予算で豊かな映画を作ることも大変ですが、大きな予算でそれに見合った映画を作るのも同じように難しいと思うんですよね。今の日本でこれほどの製作費を任され、それを実際に具現化出来る、映画監督はそういないと思います。まぁとにかく天晴れな出来です。(上から目線ですみません・・・笑)

そして現場を統率する大友監督一人だけが凄くてもしょうがない訳で、この映画が凄い出来になっているのは役者陣の本気もあるからです。前作に続き剣心を演じるのは佐藤健さん。スレンダーな肉体からは想像出来ない、パワーを持っている若手俳優。前作で剣心を演じていた時から既にその類まれな身体能力の高さで、大友監督の演出に応えまくっていたのですが、さらにパワーアップ!アクションもさることながら殺陣が加わるともっと高いレベルが要求されると思いますが、前作以上のスピードも加わり、本当に圧巻です。そして今回から登場する志々雄一派の筆頭・瀬田宗次郎を演じる神木隆之介くんもおぼこい顔してまた佐藤健くんに負けないキレの良さ。二人の対決シーンも見所です。
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と、男性陣だけの活躍かと思いきや、京都に単身乗り込む剣心を助けることとなる操役の土屋太鳳(つちやたお)ちゃんがこれまた凄い。彼女はドラマ「鈴木先生」で脚光を浴び、今期の朝ドラ「花子とアン」のもも役を演じているこれからの女優さんなのですが、あのももちゃんと同一人物とは全く思えない、19歳にしてこのポテンシャルは本当に凄い!アクションシーンはほぼスタントなしでやっているそうですが、彼女の運動センスも驚異的。彼女にこんな隠された才能があったとは・・・・
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(祝・2015年上期のNHK朝の連続テレビ小説のヒロイン決定!)

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(凄いのは若いキャストだけじゃない!翁を演じる田中泯さん。
69歳とは到底思えない身のこなし!若い者に全然負けてない、いやむしろ勝ってる、勝ってる!さすが舞踊家!)

他のキャスト陣を含め大友監督の本気に応えるべく、本気な撮影に挑み、その気合いが見事に結果となって表れている本作はスクリーンで観る価値のある1本なのです。『るろうに剣心 京都大火編』は8/1(金)映画の日からのスタート、後編の『るろうに剣心 伝説の最期編』は9/13(土)からの二部作連続公開です。劇場でお待ちしてます〜★

By.M
©和月伸宏/集英社 ©2014「るろうに剣心 京都大火/伝説の最期」製作委員会
配給:ワーナー・ブラザース映画

『GODZILLA ゴジラ』

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 こんにちは、女住人Mです。今週ご紹介する作品は日本が世界に誇るアレです!
7/25(金)公開の『GODZILLA ゴジラ』です。
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 1954年に誕生した“ゴジラ”は今年生誕60周年。当初、ゴジラは再びハリウッドでリメイクされると一報が入った時、「大丈夫なのか?もう、そっとしておいてくれても良いんだよ」と思った人も多かったとか?とか?しかし、監督が今年39歳イギリス人のギャレス・エドワーズらしい、長編はこれで2作目の新鋭だが前作の低予算映画「モンスターズ/地球外生命体」が評価されての抜擢らしい、しかもギャレス監督は小さい頃からの無類の“ゴジラ”好きらしい!と情報が上塗りされるにつけ、“ゴジラ”ファンの期待は「なんか、大丈夫かも。いけるかも」と膨らんでいったのです。

そして日本公開から先駆け全米ほか世界公開されるや否や、世界中の“ゴジラ”ファン大熱狂!世界的に大ヒットしてしまったのです。(そう、“ゴジラ”は今となってはアメリカや海外でも大人気!と言うか若い世代だと日本より圧倒的に海外人気があるのではなかろうか・・・)しかも全米の映画評論家たちの評価もすこぶる高く、「これは本当に大丈夫そうだ!」と言う空気が日本にもかけめぐりました!そして本作で日本から主要キャストとして選ばれたKen Watanabeこと渡辺謙さんも「僕ら日本人はゴジラの『本家』。その『本家』の気持ちを、ギャレスはちゃんと理解してくれていて、それを壊すのではなく踏襲してくれた」と語っているではありませんか。もうどんどん期待は膨らみます。
とは言え、「日本へのリスペクトがちゃんとあった」は常套句のようなものなので、実際はどうなのよ〜という疑いも私の中にはぬぐい去れなかったのも事実。
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が、が、が、『GODZILLA ゴジラ』を観て、もう私は声を大にして「ギャレス、ありがとーーーー!!!」と叫びたかった。それぐらい素晴らしい作品でした。と、あたかも子供の頃からの“ゴジラ”ファンのように熱く語りましたが、すみません、これまで“ゴジラ”シリーズをちゃんと観たことがありませんでした。知ったかぶってすみません。でもそんな“ゴジラ”に馴染みのなかった私ですが本作を観てまんまと“ゴジラ”に萌え、一気に“ゴジラ”ファンになってしまったのです。
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(ゴジラの謎を追う研究者ジョーを演じるのは海外ドラマ「ブレイキング・バッド」ほか、映画「アルゴ」「ドライヴ」の演技で映画ファンから信頼も厚いブライアン・クランストン!)

“ゴジラ”が登場したのはそもそもヒロシマ、長崎への原爆投下、アメリカの水爆実験による日本船の被爆といった実際に起きた社会的背景を経ていて、“ゴジラ”自身に反核メッセージが込められている訳ですが、本作でもそういった所を踏襲し、真正面からぶつかっています。日本で起きた震災による原発事故で妻を亡くしたアメリカ人科学者が事故の原因に不審を抱くところから物語は始まり、東日本大震災と原発事故に対するメッセージもきっちり“ゴジラ”の存在に反映していきます。なぜ、“ゴジラ”が誕生したか・・・ここを描かない限りそれはただの怪獣映画になります。でも本作はそういった意味でれっきとした“ゴジラ”映画になっています。
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(本作のドラマ要素で活躍するのは若手演技派エリザベス・オルセン。要注目です!)

“ゴジラ”と言う存在の前では何もすることが出来ない人間の無力さ、善悪を越え世界の調和を乱すものに対してのみに怒りをぶつける“GODZILLA”の中にまさに我々はGOD(神)を見い出すのです。神のような視点で存在する“ゴジラ”をスクリーンで見るにつけ、もうシビレまくりです。ゴジラがこんなにかっちょいい存在だったとこの映画で私は初めて知りました。人間の愚かさの象徴を十字架のように背負った“ゴジラ”が去っていく後姿は神々しくもありかつ哀愁と悲哀にも似た切なさもあり、思わず「ゴジラ〜〜!」と叫びたくなった自分がいたのでした。
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(この後ろ姿がなんとも男らしい!!!これから‘ゴジラ’先輩、そう呼びます!)

 “ゴジラ”ファンの方はこの世にたくさんいらっしゃるので、私のようなペーペーのコメントは戯言でしかありませんが、そんな“ゴジラ”ビギナーな私がこの映画を観ただけですっかり虜になってしまったので、同じようにこれまで“ゴジラ”に触れる機会がなかった方にも是非、観て頂きたいです。そしてこんなに素晴らしい作品を作ってくれたギャレス監督に心からの「ありがとう」を伝えつつ、世界的大ヒットで続編公開が早急に決定したので今から次回作が本当に楽しみです。
『GODZILLA ゴジラ』は7/25(金)からシネマイクスピアリにて2D&3Dにて公開です。

By.M
(C) 2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC

『オール・ユー・ニード・イズ・キル』

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 皆さんこんにちは、女住人Mです。さて、今回ご紹介する作品は世界一のナイスガイのあの人の新作です。
トム・クルーズ主演『オール・ユー・ニード・イズ・キル』です。
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 本作の舞台は謎の侵略者“ギタイ”の攻撃に滅亡寸前の地球。トムさま演じるウィリアム・ケイジ少佐はひょんなことから実戦経験0のまま最前線に兵士として送られ出撃するもあっさり死亡。が、死んだ瞬間、彼は出撃前日に戻っているのです。その後も死んでは生き返り、死んでは生き返りと同じ時間を繰り返すタイムループに囚われてしまいます。かつて同じようにループに囚われたことがある女性兵士リタ(エミリー・ブラント)と出会うことで、彼女の下で訓練を重ね戦闘スキルを上げていきます。果たしてケイジは地球を、彼女を救うことが出来るのか・・・。
本作は桜坂洋さんの同名小説の映画化、「ヒカルの碁」、「DEATH NOTE」や「バクマン。」の小畑健さんがコミカライズしていることでも話題、つまり日本にとても馴染みのある作品なのです。
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 さて、トムさま映画を語る上でやはり外せないのはトムさまそのものの魅力。毎年1本、時に2本もビッグバジェットの主演を張り、多くの作品をヒットさせているトムさま。そのスター人生は順風満帆な時ばかりではありません。が、何かあっても常に復活してしまうのがトムさま。それは一重に彼が死ぬ程努力をしているから、それ以外に理由はありません!映画が本当に好きで、観客を楽しませることを第一に考えるトムさまはその信念のもと映画に出演し、その多くはプロデュースも手掛けています。あれだけのトップスターでありながら、それに胡坐をかくことなく細やかな心遣いで攻めるハリウッドスターはもうトムさまを置いて他にはいません!そんな心意気のトムさまにはひれ伏すしかなく、エンターテイナーの鑑・トムさまの新作は必ずスクリーンで観るべし、観るべしです。
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 でも毎年のように主演を張るトムさまなので、もしかして「トム、またか」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。が、トムさまはそんな観客の心もお見通し?!いつもは強く、逞しく、キラースマイルでもって悪いヤツをやっつける、いわゆるトムさま無双な訳ですが、本作では、なんとヘタレなトムさまの魅力が炸裂!これまでにない魅力開眼!あらすじでご説明した通り、本作はペーペーだった兵士があるきっかけで“何度も死んで何度も生きる”というタイムループを経験するようになります。“ギタイ”が攻撃をしかける前線に行っては死んで、生き返り、行っては死んで、生き返り、そしてその度に様々なバリエーションで死んでしまうトムさま。映画の中でトムさまの死に様をこんなに観られるのはこの映画だけ!
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(おろおろトムさまが見られるのはこの映画だけ!)

 しかもケイジは本当は戦争なんて行きたくなかった臆病者なので最初は戦地から逃げることしか考えていない。そんなヘタレなトムさまが新鮮!そして、過去にケイジと同じタイムループを経験したことがあった女兵士リタが登場し、彼を指導していくことでどんどん逞しくなり、スキルアップしていきます。女性にリードを奪われるトムさまも必見!

そして、この“何回も死んで生き返る、そしてバージョンUPしていく”と言う設定はまさにゲームの世界なのできっとゲーム好きな人には臨場感ある感覚に襲われると思いますし、映画好きな人であれば「ミッション:8ミニッツ」や「恋はデジャ・ブ」といった映画に代表されるように同じ時間を繰り返すことで違う何かを発見するこの展開は心くすぐられちゃいますよね。

 またリタ(「恋はデジャ・ブ」のヒロインの名前もリタ!)を演じるエミリー・ブラントが良い!!彼女はアン・ハサウェイと共演した「プラダを着た悪魔」以降グイグイ出てきた女優さんで、本作では今までイメージにはなかったアクション映画のヒロインを演じるのですがケイジが憧れる女兵士としての佇まいがクールで素敵なんですよね。ケイジは最初はリタに指導される側だったのにタイムリープして学習することである時点から彼女と彼の立場が逆転してしまうんです。そして仄かに芽生える恋心。でもそれも生きるか死ぬかでの恋心だからとてもクール。いや〜好感もてまくり展開です!
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(エミリー・ブラントのこの健康美がたまらなく素敵!)

 今まで見たことのないトムさま、そして今までと変わらずかっちょいいトムさまの魅力は是非スクリーンでご堪能下さいね。
『オール・ユー・ニード・イズ・キル』は7/4(金)からシネマイクスピアリにて公開中です。

By.M
(C)2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS(BMI)LIMITED

『her / 世界でひとつの彼女』

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 皆さん、こんにちは。女住人Mです。
今週は本年度アカデミー賞脚本賞受賞、作品賞を含む5部門にノミネートされた『her / 世界でひとつの彼女』をご紹介します。
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 この物語の主人公はセオドア(ホアキン・フェニックス)。妻キャサリン(ルーニー・マラー)と離婚調停中と言うこともあり、イジイジした日々を送っています。そんなある日、セオドアは最新式“AI(人口知能)型OS(オペレーティングシステム)”搭載のソフトウェアを購入。自宅のPCでOSを起動させると女性の声が・・・・。彼女の名前はサマンサ(声:スカーレット・ヨハンソン)。セオドアは毎日サマンサと会話しているうちに彼女に恋をしてしまいます。
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 サマンサはいわゆるiPhoneのsiriの高精度版。音声認識をするので自由に会話が出来るし、PCにインストールしているので、勝手に情報をくまなくリサーチし、持ち主に最適化することで例えば「明るい音楽が聞きたいな」と言えばすぐさまピッタリの音楽を選んでくれる。持ち主の(PC内の)パーソナルな情報を全て吸い上げ、つまりこちらの趣味、趣向を全て把握した上で、自身のそれにあった提案をするので、身近な存在にならない訳がない、と言う訳です。しかも文句は言わないし、胸ポケットに入れていつでも一緒にいられるし、自分のことを一番に思ってくれる。

加えて声があのスカーレット・ヨハンソンです。「アベンジャーズ」「それでも恋するバルセロナ」のあのスカーレット(以下、スカ嬢)です。実態もセクシーな上にハスキーな艶っぽい声を持つスカ嬢が耳元でいかなる時でもこちらを察した言葉をかけ、気の効いた会話とかしてくれるんです。恋をしない訳がない状況です。そう本作は人間とコンピューターとの恋愛を描いていくのです。
映画の冒頭では奥さんのことが忘れられずウジウジしているセオドアですが、サマンサを得てからはもう恋する乙女!見た目はばっちりおっさんですが、キラキラしちゃってるんです。恋をしている人の輝き、それは本当に眩しい!
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(皆さんも憧れのあの人の声のOSが毎日語りかけてくれると想像してみて下さい。それはヤバイ、ヤバイ!)


 でもこの映画を観ているとどこか何だか寂しくなるんですよね。それはセオドアが生身の人間に恋をしているのではなく実体のないOSのサマンサに恋をしているから、と言うより、セオドアはやっぱり誰かを好きになることで同じ失敗を繰り返すからです。サマンサはOSなので経験によりどんどん進化、つまりアップロードしていくのですが、その時にセオドアにはわからない本の話をしたり、意見が食い違うようになるのです。
そう、サマンサも自分を持ち始めるのです。そうなるとセオドアは急に動揺したり、嫉妬したりするのです。そう言うセオドアの姿をみると結局誰かを好きになるとエゴが出たり、自分が思っていること以上のことを相手に求めたり、大好きなあたなよりも自分の中の何かを優先してしまう。そんな人間のドロドロした部分が見えてくるのです。キャサリンとの結婚生活においても、きっとセオドアはサマンサに対して持ってしまった感情と同じようなことを求め、心が離れていってしまったのだと思うのです。
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(キャサリンと幸せだった時の風景が記憶の断片のように劇中に挿入されるのですが、こういうのは本当にたまらん、たまらん。
切なくてたまらん。)

映画の中でセオドアの理解者である友人エイミー(エイミー・アダムス)が「恋に落ちるって社会的に受容された狂気よ。」と表現するのですが、まさにそれを認識してしまうのです。でも、セオドアはキャサリンとの結婚生活では対峙出来なかったことをサマンサと出会ったことで初めて向き合えるようになるのです。それを示唆するエンディングに私はとっても優しい気持ちにもなれました。誰かを好きになるというのは悲しいながらも美しいことであるな〜と。
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(セオドアの良き理解者エイミー(エイミー・アダムス)。二人の仲が伺える膝カックンシーンとか
何よ、も〜。素敵すぎるよ〜。)

 本作の脚本・監督はシャレオツ2大番長の一人スパイク・ジョーンズ。(もう一人はウェス・アンダーソン監督)そんな彼が作り出す世界はとてもクールでかっちょいい。セオドアの働くオフィスや、サマンサが搭載された端末、セオドアがやっているゲームのキャラクター、近未来のLAのイメージで撮影された上海、絶妙なデザインのハイウエストのズボンなどなど、自分の作品に対して細やかな心遣いをし、愛情を注げる、こういう人が作りだす世界に身を投じるだけで本当に幸せな気分にも浸れます。

これはちょっと先の未来のお話なんかじゃなく、とても現代的で普遍的でシンプルな愛の物語。
『her / 世界でひとつの彼女』は6/28(土)からシネマイクスピアリにて公開中です。

★スパイク・ジョーンズ監督「Meet the Filmmaker」@Apple Store,Ginza ★
4年ぶりに来日したスパイク・ジョーンズ監督のトークショーに行ってきました!
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(左からMC:野村訓市さん、スパイク・ジョーンズ監督、衣装デザインのケイシー・ストームさん)

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MC:「人口知能型OSと人間が恋に落ちるというストーリーを着想したきっかけは?」
監督:「5年前に脚本を書き始めた時は、人とテクノロジーの関係を描きたかったわけじゃないんだ。リアルに誠実に人と心を通わせることはとても難しいことだよ。今、テクノロジーのせいで人と関係が築けないと言われているけど、昔だって別の事を言い訳に同じような事は起こっていたと思うよ。コミュニケーションの形は変わっていくし、今は情報量も多い。そんな中で人と親密になることの挑戦を描いたのが本作なんだ。」

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MC:「一見、現代と変わらないように見えて、よく見るとハイウエストなどとても印象的な衣装だけど、どういうところから着想したの?」
ケイシーさん:「ハイウエストは確かスパイクのアイディアだったんじゃないかな?この映画は未来ではなく、過去にさかのぼって表現しているんだ。そしてセオドアのファッションは1920年代を意識しているんです。トレンドはある程度の周期をもって回っているけどこの年代だけはなぜか戻ってきていないと感じてそれを取り入れたんだ。奇抜になりすぎず、作品の世界観を崩さない衣装になったと思うよ。」

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サマンサのキャラクターにモデルはいるの?という質問には恥ずかしそうにして話題を反らしたスパイク監督。
きっと今までに付き合ってきた女性が投影されているのかもしれませんね。
その質問を受けているスパイク監督をゲラゲラ笑いながら見ていたケイシーさん。二人の仲の良さも伺えました。
By.M

Photo courtesy of Warner Bros. Pictures
Photo by Merrick Morton

『マレフィセント』

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 皆さんこんにちは、女住人Mです。大ヒット公開中の「アナと雪の女王」は先週末で公開16週目に突入しましたが未だもって週末興行成績ランキング(6/29付け)で1位を爆走中、全国興収は242億円を突破しました。そして次にディズニーが贈りだす作品はこちら・・・ 7/5(土)公開『マレフィセント』です。本作はディズニー・クラシック・アニメーションの傑作「眠れる森の美女」をマレフィセント目線で描く究極の愛の物語。マレフィセントの悲しい過去と真実の姿が明かになります。
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 「アナ雪」の空前の大ヒットを受け、「次のディズニーは何を見せてくれるんだ?」と皆さんの期待度もMAXに上がっていることと思われますが、先ずはアニメの世界からそのまま抜けだしたようなアンジェリーナ・ジョリー版マレフィセントのビュジュアル!もうここは文句のつけようがないですね。「well,well,well(おや、おや、おや)」とアンジェリーナ・ジョリー(以下、アンジー)が言うだけでもうすぐさま魔法にかけられちゃいそうですもんね。もともとアンジーは頬骨が高いので頬の影にシャドーが入るだけで完璧!
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 そして“真実の愛が隠されていた”という本作のうたい文句や、きっとオリジナル版「眠れる森の美女」とは違った結末になるだろな〜、と皆さんも薄々感じていらっしゃるかと思いますが、本当に誰もが予期し得ない顛末となっています。もうこれはびっくりです。私もある程度の推測エンディングをもって本作に挑みましたが、その結末は斜め上をいっておりました。「アナ雪」をご覧になった方であれば(って、皆さんはもうご覧ですよね!!!)そのエンディングでもわかる通り、昨今のディズニーヒロインは自分が幸せになるために必ずしも王子様(=男性)の助けを待つのでなく、真実の愛はそれ以外の所からもたらされる、つまり男女間での愛(だけ)ではなく、もっと広い意味での愛が幸せをもたらす風潮にあり、本作でもそれは如実に表れています。でも本作におけるそのエンディングは今のディズニーの方向性というよりも、アンジェリーナ・ジョリーのこれまでの人生の物語にリンクしていると言う方が正しいかもしれません。

 ご存知の通り、彼女はブラッド・ピットというハリウッドでも1,2位を争うイケメン&出来る男をパートナーに持ち、オスカー女優でありながら養子・実子を含め6人の子供を育て、慈善活動にも積極的という世界中が認めるスーパーママさんです。でも、ブラッド・ピットと出会うまでは父ジョン・ヴォイトとの不仲、2度の離婚とかなり退廃的な私生活を過ごしていました。そんな彼女が2002年カンボジアから養子を迎えたことを機にグッと変化していきます。シングルマザーとして息子マドックス君を育てその後、最愛のパートナーとなるブラッド・ピットと出会い彼女は家族だけでなく、広くその愛情を世界へと向けるようになるのです。
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(本作で幼い頃のオーロラ姫を演じるのは実子ヴィヴィアンちゃん。ブラピそっくり!)

アンジーが演じたマレフィセントはある出来事から心にも体にも深い傷を負い、その復讐としてオーロラ姫に邪悪な魔法をかけます。その後、人里離れた森で妖精たちによって大事に育てられるオーロラ姫を監視し続けるのですが次第と彼女に愛情を注ぐようになり、いつしかオーロラ姫に“フェアリー・ゴッド・マザー”と呼ばれる程になります。それはオーロラ姫にとってマレフィセントはお母さんと同じ存在、という意味。そう、このくだりはまさに3人の養子を自分の子供として惜しみなく愛を与えるアンジーに重なります。この映画を観るとなぜ今、アンジーがディズニー映画の主役を、しかも“マレフィセント”と言う役を演じ、製作総指揮にまで名を連ねているかに気付かされるのです。ディズニーという冠をもって、自分の人生を、子供への想いを映画化してしまうアンジー、さすがスーパーママさんです。

 さて、アンジーにばかり脚光があたりがちですが、オーロラ姫を演じるエル・ファニングは「アイ・アム・サム」などのダコタ・ファニングの妹。ファッションセンスも抜群で長身、色白、さらさらのブロンドヘアのエルが笑顔で微笑む佇まいはまさに“リアル・プリンセス”。本作ではアンジーが綺麗に映ることが最優先視されている気もしてエルの輝きが100%活かされていないことが個人的には不服ですが(笑)今後のエルの活躍もお楽しみに!!
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★シネマイクスピアリからのお知らせ★
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By.M
(C)2014 Disney Enterprises.Inc.

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