ウラシネマイクスピアリブログ

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『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』

 秋らしさを感じる間もなく冬到来、そして気付けば師走。冬休み興行がはじまりますよー。今回ご紹介するのは12/8(金)公開『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』です。

 亡き母との約束でチョコレート店を作ることを夢見ていたウィリー・ウォンカ(ティモシー・シャラメ)は一流のチョコレート職人が集まるチョコレートの町へやってくる。ウォンカのチョコレートはたちまち評判になるけれど、町を牛耳る「チョコレート」組合から疎まれてしまいます。果たしてウォンカは夢を叶えることが出来るのでしょうか?

 ジョニー・デップ×ティム・バートン監督でお届けした『チャーリーとチョコレート工場』(以下『チャリチョコ』)から18年(ひぇぇーー)、ウォンカがスクリーンに帰ってきました。と、言ってもこれは続編ではなく、若き日のウォンカを描いた物語。『チャリチョコ』はバートン色がとても強く反映されていましたし、本作はロアルド・ダール著の「チョコレート工場の秘密」のキャラクターを元にしつつもオリジナルストーリーなので『チャリチョコ』とは別モノ!と思ってもらってOKだと思います。

 カラフルでポップ、でもダークな世界観が魅力だった『チャリチョコ』ですが、今回は加えてスウィートでラブリー♪とにかく観た人を優しく、温かく包むハッピーな映画に仕上がっています。ファンタジー映画の王道と言って良いでしょう。それもそのハズ、本作は『ハリーポッター』シリーズのデヴィッド・ハイマンがプロデューサーで『パディントン』シリーズのポール・キングが監督だもの。

 そしてこの映画がスウィートでラブリーなのは、ウォンカをティモシー・シャラメが演じたことも大きい!『君の名前で僕を呼んで』で注目された彼はまるで少女マンガから抜け出たような佇まいでウォンカにピッタリ。来日時には薄いパープルのビニール生地っぽいジャンプスーツ、素肌にカルティエのネックレスを着用し「わかってるね!」という出で立ちで登場。極寒の中、神対応のファンサに日本の観客の心も映画同様とろけたと聞いております。長らく洋画の若手スターが不在だった日本映画界にとっても、シャラメの存在は希望の光。と、横道にそれましたが、まぁとにかくシャラメのキラキラっぷりが遺憾なく発揮されています。

 そんなウォンカが大好きなお母さん(演じるサリー・ホーキンスがまたいい!)との夢を叶えるために頑張るぞ!と息巻いたもの、悪い大人たちのせいで夢への道は前途多難。加えてウォンカが作るチョコレートを盗み続けるオレンジ色の小さな紳士ウンパルンパも登場する始末です。このあたりはこの映画におけるビターな要素にはなるのですが、大人の余裕でヒュー・グラントがウンパルンパをコミカルに演じ、彼が登場してからはもうその存在の影響力よ。映画を観終わってからもウンパルンパのテーマ曲が頭から離れないーーー。おいしいところをかっさらっていくおヒュー版ウンパルンパもお楽しみに。

 とにかくチョコレートを食べた時のように心がほどけるような甘く優しい鑑賞後感にきっとこの映画を大好きになってもらえるんじゃないか、と思います。そして吹替版にはなんと我らがLiLiCoさんもご参加されていますYO!
街が華やぐ今の季節にもピッタリな本作、スクリーンでお楽しみください★

By.M

<余談>
インタビューでティモシーの順調なキャリアをどのように見ているかと尋ねられたヒュー・グラント、「彼のキャリアはノンストップで急上昇中、私は悲劇的な下り坂の軌跡を描いていてここに美しいシンメトリーが生まれている」と回答。こういう返答をサラっとするところがステキ過ぎます。