ウラシネマイクスピアリブログ

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『ロスト・フライト』

 「四の五の言わずとにかく2時間ぐらいで楽しませてくれ!」、そんな気分を映画に求めることってありますよね。そういった時に打ってつけのサバイバル系アクション映画が公開されました。今回ご紹介するのは11/23(木)公開『ロスト・フライト』です。

 悪天候の中、シンガポールから東京経由でホノルルに向かうことになった航空機。運悪く落電によるトラブルに巻き込まれるも、奇跡的にフィリピンの島に不時着する。機長のトランス(ジェラルド・バトラー)を始め、乗客はなんとか命を取り留めたがその島は反政府ゲリラが支配する無法地帯だった・・・。

 突然のトラブルに巻き込まれがちなジェラルド・バトラー、本作でもトラブルがわんこ蕎麦のように次から次へとやってきます。離れて暮らす娘と新年をハワイでハッピーに過ごそうと仕事を終わらせて休暇に入るぞ~なんて浮かれ気分でいた矢先、離陸直前に犯罪者ガスパール(マイク・コルター)を移送するよう頼まれてしまいます。刑事と共に最後列に座るガスパール。初っ端から嫌な予感しかありません。

 荒天が予想されていたにも関わらず、燃料を節約するために「嵐の上を飛べばいい、大丈夫、大丈夫」と上官からのケチなお達し。予想通りに飛行機は激しい嵐に巻き込まれ、落電により電気系統がやられるわ、乱気流に巻き込まれるわで命からがら島に不時着!!このさわりだけでも気付けば呼吸を忘れる緊張感で観る方も体力消耗。

 でもこれからがさらに悪夢だったんです。やっと命が助かったと思ったのにこの島は反政府ゲリラの巣窟!トランス機長がなんとか助けを求めて通信手段を探しまわっていた時にカメラと血痕が残る場所を見つけてしまうのです。そう、明らかに自分を含め乗客たちは身代金目当ての人質として捕らえられ、お金を払ってもきっと命はない・・・ということも想像に難くない光景が広がっていたんです。そして救助を求めていた間にゲリラたちに無残にも捕らえられてしまった乗客たち・・・万事休す。

そこで孤立無援だったトランス機長を助けるのが犯罪者ガスパールでした。その素性が幸いして元傭兵だったのですが重罪犯を信じていいのかは全くの未知数で機長絶体絶命!巻き込まれ系ヒーローとしてこれまでも多くのピンチを潜り抜けてきたとは言え、どうするジェラルド・バトラー!!

 でもどんなに危機的状況におかれても決して乗客や同僚を見捨てない「何があっても守りぬく!」なトランス機長はほんと、頼れる男。リーダーがそんな風に信頼出来るから同僚たちも最善を尽くすという胸アツ展開です。決して完璧な人間じゃないけれど、だからこそ“一つ一つ着実に”をモットーに掲げるトランス機長の姿、社会人として見習いたいと思います。

 どうも最初の脚本段階ではゲリラだけでなく、ワニにも襲われたりもっともっとパニクる予定だったそうですが、この最終稿に至って大正解だったと思います。本編尺は2時間を切る約1時間50分、映画には時に潔さも必要です。この映画、きっとあなたの期待を裏切らない!

By.M