ウラシネマイクスピアリブログ

映画を愛するシネマイクスピアリの宣伝担当者が
今後の上映作品を
ウラからナナメから眺めてそっと語るオフィシャルブログ

NEW

『リサ・ラーソンがいた時間』

 シンプルだけどカラフルで暖かく、そして愛らしい北欧デザインは日本でも大人気。今回は北欧スウェーデンを代表する陶芸家のドキュメンタリー映画、9/18(金)公開『リサ・ラーソンがいた時間』をご紹介いたします。

 リサ・ラーソンが生み出したコロンとしたライオン、赤と白のしま模様の猫「マイキー」やハリネズミ「ハリエット」といったキャラクターや陶器作品、その生みの親がわからずとも知らないうちに目にとめている、グッズを持っているという方もいらっしゃるかも。本作は2024年に92歳でこの世を去ったリサ・ラーソン晩年の姿を描いていく映画です。

 本作の一番の特徴は監督・撮影を手掛けたのが実孫エミリア・エクマン・ラーソンであること。身内だからこそ許された距離感、信頼の上で彼女が8年間に渡ってリサに寄り添い撮り続けました。そのため映画はとっても親密な柔らかい空気に包まれています。

 でも監督にとってリサおばあちゃんは遠い存在だったと語ります。有名な陶芸家だった彼女の周りにはいつも人が集まり、常に何かしら制作活動をしていたため、子供の頃は面と向かって接する機会は少なく、むしろこの映画を通して知らなかったリサおばあちゃんに触れることが出来、それが何よりもの喜びだったと。

 そしてずっと仕事に打ち込んでいたリサも同様に家族とじっくり話す時間が持てていなかったとエミリアに吐露し、人生と創作のパートナーでもあった夫グンナルとの別れを語るシーンは胸に迫ります。それでも落ち込んだ時は創作が彼女を支え、それが原動力となっている。生涯現役なリサの姿は本当に眩しいし、世界中から愛される作品を作り続けているのに「がらくたばっかり作ってきたわ」と言い放つところもとっても素敵なんです。

 彼女が作る作品がどうしてこんなにも温かく、世代や国境を越え愛されるのか、それがリサ・ラーソンという人柄に大きくよるものだ、ということがとても強く伝わり、私はますます彼女の作品が好きになりました。

 リサ・ラーソン自身と彼女の作品の素晴らしさをもっと知ってほしくてこの映画を紹介したのですが、シネマイクスピアリ的には本作の日本語字幕を担当するのがLiLiCoさんであることもその理由の1つです。言わずと知れたスウェーデン出身のLiLiCoさん。リサ・ラーソン工房へ見学に行った際にこの映画のことを知り、日本の配給会社へ橋渡ししたのもLiLiCoさん。

そう、LiLiCoさんなしではこの映画の日本公開はなかったといって過言ではありません。この映画でリサさんのバイタリティを知りましたが、LiLiCoさんも負けてない!リサさんとも電話で話したことがあるLiLiCoさんはその時の記憶をたどり、その雰囲気が伝わるように、そして日本語に表現し辛いスウェーデン語の言い回しもエミリア監督に「こういうニュアンスなのかな?」と丁寧に裏どりをされたそう。そういった近しい関係性の上で付けられた字幕もこの映画の魅力の解像度をあげています。

 この映画ではリサの工房や彼女の自宅が撮影場所となりますが、彼女のスタイル、ファブリックや家具といった生活に溶け込む北欧デザインももちろん、見どころの1つです。ぜひお見逃しなく!

By.M