ウラシネマイクスピアリブログ

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『THE BATMAN-ザ・バットマンー』

 アメリカでは3/2に公開し1億ドルを越える大ヒットスタートとなりました、今回ご紹介する作品は3/11(金)公開『THE BATMAN-ザ・バットマンー』です。

 子供の頃に両親を殺害された青年ブルース(ロバート・パティンソン)、もう一つの顔はゴッサム・シティの自警団として一人悪と対決する“バットマン”。ある日、権力者を標的とした連続殺人事件が発生。犯人を名乗るリドラー(ポール・ダノ)は犯行の際に必ず謎かけのようなメッセージを残し、警察やバットマンを挑発していく。ブルースはゴードン警部補(ジェフリー・ライト)と共に犯人を追うが、その過程である巨大な陰謀がうごめいていることを知る・・・

 あなたのベストバットマンは誰?とアンケートがとれるほど、これまで何度となく映画化されている人気キャラクター。近年だとやっぱりクリストファー・ノーラン監督×クリスチャン・ベール版を挙げる人が多いのか?そして新バットマンとして登場したのはロバート・パディンソン。『トワイライト』シリーズでアイドル的な人気を博して以降、着実にキャリアアップ、近年ではノーラン監督の『TENETテネット』で主演を演じた注目の若手演技派俳優です。ケツアゴ・バットマンの系譜にもふさわし顎を持ち、色白で憂いがある面持ちは苦悩を抱えるブルース・ウェインにぴったり。

 また本作ではバットマンになって2年目新人です!的な設定なので、若さゆえ迷い、経験不足ゆえに戸惑う彼は、従順な執事アルフレッドとこれまで以上に心を通わせ悪に立ち向かう様も描かれ、心に闇を抱えているブルースがバットマンとしてどういう成長を経るのか、ロバート・パディンソン版バットマンがどんなシリーズになっていくのかに期待が膨らみます。

 執事アルフレッドと言えば、マイケル・ケイン、ジェレミー・アイアンズとかっちょ良すぎる英国イケオヤジな俳優が続けざまに演じていた役ですが本作では(『ロード・オブ・ザ・リング』のゴラム役ほか、モーション・キャプチャー俳優の第一人者である)アンディ・サーキスが演じるということで、最初はどうしてもゴラムの顔や声か浮かんできて不安がなかった訳ではないですが結果としては大いにあり!。ブルースとの親密さも伺えて、いいんじゃな~い、と思った次第です。そう、こんなに擦られ続けているシリーズなのに映画全体としてフレッシュなコンテンツとなって再構築に成功してるところがいい!

「誰が監督していたんだっけ?」と思ったら『猿の惑星:新世紀&聖戦記』のマット・リーヴス。(シーザー役がアンディ・サーキス、繋がった!)『猿の惑星』も昔から熱狂的なファンの多いコンテンツでしたが見事に別モノとして再生させたその手腕は本作でも遺憾なく発揮。ゴッサム・シティも雨が印象的な陰鬱な街として表現し映画全体の雰囲気もグレードUP!スーパーパワーを持たない、生身の人間であるバットマンが空を舞うシーンも何だかテンションがあがっちゃう(モモンガ!)。

 また本作ではバットマンの悪役キャラでお馴染ペンギンが登場しますが、『ハウス・オブ・グッチ』におけるジェレッド・レトばりに誰が演じているのかさっぱりわからない変貌っぷりにもたまげてください。私はてっきりCG処理されたデ・ニーロかと思いました。
フィルムノワール風な重厚感をも纏った新星バットマン、続編が既に楽しみ、楽しみ!

By.M

※お知らせ※
春のパディンソン祭りよろしく3月の<キネマイクスピアリ>では
ロバート・パディンソンとウィレム・デフォー主演の『ライトハウス』を(上映期間:3/11~17)上映します。
孤島に閉じ込められた灯台守の二人が狂気の世界にましぐら~。合わせてお楽しみください!!