ウラシネマイクスピアリブログ

映画を愛するシネマイクスピアリの宣伝担当者が
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『ジュディ 虹の彼方に』

 シネマイクスピアリは6/1(月)より営業再開となりました。時短営業の折「時間が合わせ辛いな」というところがあるかもしれませんが、皆様のご来館を心よりお待ちしております。

 さて今回ご紹介するのは本年度アカデミー賞ほか2019年度の主演女優賞はほぼこの作品がかっさらっていきました『ジュディ 虹の彼方に』です。シネマイクスピアリが臨時休館中の3/6(金)に全国公開されましたが、圧巻のライブシーンがあるこの映画はスクリーンで体験していただきたいので改めて紹介させていただきます。

『オズの魔法使い』(1939)のドロシー役に17歳で抜擢され、一躍ハリウッド黄金期を代表する女優としてスターダムに駆け上がったジュディ・ガーランド。そんな彼女が47歳で亡くなる半年前の日々を描きます。

私がジュディ・ガーランドと出会ったのも『オズの魔法使い』から。愛らしさと抜群の歌唱力に魅了されたのですが、既にその年からいばらの道なんてもんじゃない、まさに地獄を味わっていたことを後で知るのです。

若くしてスターになった彼女は過密なスケジュールがこなせるように大人たちから(母親かも!)興奮剤と睡眠剤を交互に飲まされたり、痩せることも強制され当時ダイエットの薬として使用されていた覚醒剤まで投与されていた、という・・・。

あんなに可愛い笑顔の裏で彼女は心身ともにボロボロに・・・。その後の転落人生は推して知るべし、アルコールに溺れ、精神を病み、撮影に穴を開け、ハリウッドから干されてしまうのです。

 そんな状況でも生きていくために活路を見出したのが、天賦の才能を活かしたコンサートのステージ。でも“ミス・ショウビジネス”として観客を魅了するもその後も挫折を繰り返します。この映画で描かれるのも宿泊していたホテルから追い出され、二人の子供も元夫に預けざるを得なかった時、再び一緒に暮らせるようにとお金のために引き受けたロンドンでのコンサートの模様です。子供時代のトラウマとも言うべき記憶を織り交ぜながら(才能を)持つ者の苦悩と最後の煌めきを描いていきます。

ジュディを演じるのはレネー・ゼルウィガー。「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズで人気を博したもの、ゴシップの餌食になり一線から遠のき休養期間にいたレネーをジュディと重ねる人も多いと思います。役者魂と才能に溢れる彼女はジュディを演じるにあたり体重を落とし、約1年間をかけてボイストレーニングをしてこの役に挑んだといいます。役者としての入魂っぷりも流石なのですが、それ以上に際立つのが決してそっくりさんショーではなく、ジュディの人生をまるで自分のものとして演じていく様に心奪われます。

まさにこの映画でレネーがジュディとして生きているその姿、特にクライマックスでレネー扮するジュディが歌う「By My Self」は必見&必聴です!! 

 自分らしく生きることを止めなかったジュディの最後の輝き、それを演じるレネー・ゼルウィガー渾身の姿、パワー不足な皆様に是非、ご覧いただきたい1本です!

By.M