ウラシネマイクスピアリブログ

映画を愛するシネマイクスピアリの宣伝担当者が
今後の上映作品を
ウラからナナメから眺めてそっと語るオフィシャルブログ

『ラスト・クリスマス』

 毎年この季節になると必ずやってしまうのが、クリスマスソングカウント。日常でふと耳にする度、1マライア、1ヤマタツ、と今年はどれを一番聴くのか、と数えてしまいます。今回はクリスマス定番曲にしてワム!の代表作、あの曲にインスパイアされた映画、12/6(金)公開『ラスト・クリスマス』をご紹介いたします。

 歌手になる夢を追いながらもクリスマスショップで働くケイト(エミリア・クラーク)。オーディションに落ちるわ、母親(エマ・トンプソン)と喧嘩するわ、仕事もミスが続くわでオーナー(ミシェル・ヨー)から“ぐうたらエルフ”と呼ばれてしまうほど。そんなある日、ケイトの前にミステリアスだけど好青年のトム(ヘンリー・ゴールディング)が現れます

 この時期になると街はクリスマス&LOVEな空気が蔓延し、クリスマスソングはHappyになりたい民の気持ちをアゲ↑にいく訳ですが、『ラスト・クリスマス』もまさにその1曲。実は気分をアゲ↑にいく曲ではなかった、と歌詞の内容を知って気付くのですが、とは言えこの曲が名曲であることには変わりありません。

 本作でケイトの母親を演じ原案、脚本を手掛けたエマ・トンプソンもこの曲に魅了されていた1人。ワム!のヴォーカルにして作詞作曲を手掛けたジョージ・マイケル(2016年12月25日に死去)に生前から映画化のオファーをしていたことからも彼女のこの曲、作品への愛の深さが感じ取れます。「ラスト・クリスマス」以外にも劇中、ワム!やジョージ・マイケルの名曲がふんだんに散りばめられている上にジョージ・マイケルの未発表曲まで使われているので音楽ファンにとってはそれだけでもたまらない1本なのです。

 さて、ヒロインのケイトですが、いろんなことがうまくいかないのでめっきりやる気を失くしている女の子。悪い方へマインドも持っていかれがちなのですが、全てにおいて良い所を見ようとするトムと出会い、どんどん心惹かれていきます。演じるは『ゲーム・オブ・スローンズ』で注目を浴びたエミリア・クラークと『クレイジー・リッチ!』のヘンリー・ゴールディング、共にこの近年で大ブレイクした二人。笑顔が眩しく、コメディエンヌ的センス抜群のエミリアと今最もホットなアジアン系イケメン俳優ヘンリーの組み合わせはラブストーリーのキャスティングとして申し分ありません。

 でもこの映画の魅力は素敵なキャストでロマンティックなラブストーリーが描かれるだけはなく、“様々な愛”に溢れる目配せが盛り込まれていること。ケイトの出自が移民であること、自分のことばかりだったケイトがひょんなことでホームレスシェルターの手伝いをするようになったり、トムがなぜケイトに素性を明かそうとしない・・・、などなど、観ていて「ちょっと不思議だな」と思われるシーンの多くに“様々な愛”に関する理由があるのです。

ジョージ・マイケルも(ギリシャ系)移民の両親を持つし、ホームレスシェルターでのボランティアをしていたこともあるので彼への愛情もたっぷり。ただ男女の恋愛を描くだけではなく、社会的に弱い立場にいる人や家族、周囲への目配せが物語の至るところに散りばめられています。

 クリスマスと言えば日本はとかく恋人たちのクリスマスになりがちですが、“愛”ってそれだけじゃない、というメッセージまで盛り込まれているので、きっと想像していたものとは違うぬくもりが感じられると思います。

 ロンドンの街を舞台に“様々な愛”で包まれる本作でロマンティックに時に切なく、でも元気ももらって皆さまにも素敵なクリスマスが訪れますように・・・
あっ、ワム!と言えばあの人もご機嫌にカメオ出演してますよ!

By.M