ウラシネマイクスピアリブログ

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『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』

 ♪エンダァーーーーーイ♪という書き出しだけなんの曲かわかる方も多いハズ。そう映画『ボディーガード』の主題歌「I Will Always Love You』、歌うはホイットニー・ヒューストン。その歌声で世界中を魅了し、数々の音楽賞の受賞歴は女性アーティストとして史上最多、ギネス世界記録にも認定されています。今回ご紹介するのはホイットニーの半生を描いたドラマ、12/23(金)公開『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』です。

 ホイットニー・ヒューストンが最も活躍したのは80年代終わりから90年代。やはり映画『ボディーガード』で彼女を知った、という方が多い気がします。既に『アンタッチャブル』、『フィールド・オブ・ドリームス』などで役者として実力、人気があったケヴィン・コスナー扮するボディーガードが守る世紀の歌姫、ホイットニーが演じたからこそ説得力もありました。だってとにかく歌がうまい、しかもその歌唱はうまいだけでなく胸にグッとくる、スタイルもむちゃくちゃ良いし、笑うとまた可愛い、眩いばかりのまさに世紀の歌姫!その主題歌は全米シングルチャートで14週連続1位、その年のあらゆる音楽賞を総なめにしたほどです。

 と、誰もが一度はホイットニーの曲を聞いたことがあると思うのですが、彼女のことは知らない、という方にこそ観てほしいのがこの作品です。彼女が類まれな才能をもっていたというのは言わずもがな、どういった環境で育ち、その才能を見出されたか、その過程はほぼ時系列で描かれるという安心設計です。ホイットニーを演じるのはナオミ・アッキー、歌声のほとんどはホイットニー自身の音源を映画用にリマスタしたものではありますが、音源がない曲はナオミ・アッキーの歌声。堂々たる演じっぷりも注目です。

またこの映画の脚本を『ボヘミアンラプソディー』のアンソニー・マクカーテンが担当しているというのもポイント!『ボヘラプ』を踏襲し、観客の気持ちがググっと上がるようにヒット曲の数々が劇中に登場し、それらの多くがほぼまるまる1曲使われ、映画館でこれを体験すれば、そこはライブ会場やホール、スタジアムへと早変わりです!ホイットニービギナーの方でも彼女の魅力を感じ取ってもらえるハズ♪

 とは言え、彼女の人生が全てHAPPYで順風満帆だった訳ではありません。むしろ、48歳の若さで命を落とした背景にはドラッグやスキャンダルまみれの結婚といった負の要素も付きまとっていたことは事実です。レジェンドと言われるアーティストの生涯は輝きを放つ一方で闇が存在するのが常、というのは本当にやるせないものです。

それでも自分のやりたいこと、好きなことを明確に自分の中にイメージ出来た彼女は歌うことに関しては無敵でした。曲を作るスキルはなくても、彼女に歌ってほしいと送らてくる膨大な楽曲から「これ」という1曲を選び、より魅力的になるようアレンジして歌ってみせ、それがヒット曲になる、そんなシーンは彼女が如何に音楽に愛され、ギフトを与えられた人間だったのかが表現されています。そして彼女の才能を見い出した伝説の音楽プロデューサー、クライヴ・デイヴィスの存在、そして二人三脚っぷりも光ります。

とにかく子供の頃から歌うことが好きだった彼女が自分が歌いたい歌を自分らしく歌うことにこだわり、そのために全てを捧げた、彼女の“光”の部分をより輝かせて魅せるのが本作なんです。

 シネマイクスピアリでは本作の公開を記念して12/30(金)~1/5(木)までドキュメンタリー映画『ホイットニー ~ オールウェイズ・ラヴ・ユー ~』も特別価格で上映します。ホイットニー世代な方、ホイットニーをもっと知りたい!と思った方はこちらの映画とあわせて深堀りしていただけたら、と思います。

By.M

※キネマイクスピアリ12月の作品『ホイットニー ~ オールウェイズ・ラヴ・ユー ~』について