ウラシネマイクスピアリブログ

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『ミセス・ハリス、パリへ行く』

 こんなにハッピーでキュートな映画があっただろうか?今回は「とにかく幸せな気分になれる映画が好き!」そんな方におススメな11/18(金)公開『ミセス・ハリス、パリへ行く』をご紹介いたします。

 舞台は1950年代のロンドン。戦争で最愛の夫を亡くした家政婦のミセス・ハリスは雇い主が持っていたクリスチャン・ディオールのドレスに一目惚れ。その日から「自分もパリに行って、ディオールでドレスを仕立てるわ!」と心に決めます。

 たくさんのチャーム(魅力)にあふれた本作、何から話そうかと迷ってしまうほどですが、ミセス・ハリスを演じるレスリー・マンヴェルの可愛さが随一!確かに彼女が心奪われるドレスの美しさといったら・・。劇中に登場するディオールの衣装は同社協力の元、当時のデッサンを元に(『クルエラ』を始めアカデミー賞を3度受賞している)衣装デザイナーが手掛けたもので、うっとりとため息のドレスの数々、なんですがそれ以上に運命の出会いをした時のミセス・ハリスが無茶苦茶可愛い!!そのワンシーンだけで私はこの映画に一目惚れしたといって過言ではありません。

 当時のイギリスは生まれた家柄ですべてが決まるような格差階級社会。ミセス・ハリスのように労働者の子として生まれると一生どんなに働こうが裕福になることはありません。そんな境遇にいながらも(現在の円に換算すると)250~400万円とその値段は全く可愛くないけど「ディオールのドレスを着たい!」その一心でミセス・ハリスはその日から仕事を増やし、さらなる倹約生活もスタートです。ついにはギャンブルにも手を出すという大勝負に出たり、その途中でハプニングに見舞われるも、周りにも助けられパリ行きのチケットをゲットすることになります!

 そんなこんなでパリへ着き、いざドレスを作るぞ!となるのですがミセス・ハリスが憧れたディオールはオートクチュール、つまり一点ものの高級仕立て服でした。お金さえあれば夢は叶うと思っていたのは大間違い、そもそも庶民のミセス・ハリスがディオールに足を踏み入れることすら出来なかったのです。選ばれし上流社会のご婦人方がドレス選びのための(メゾンの中で開かれるプライベート空間な)ショーを見て、購入。その後採寸、仕立てと時間をかけて世界に1つだけのドレスは完成するのです。

 ディオールの支配人マダム・コルベールは場違いな訪問者ミセス・ハリスを門前払いするのですが(演じるのはイザベル・ユペール様。エレガンスに冷たくあしらう様がまたいい!)そんなことで諦める訳にはいかないミセス・ハリスはそこからさらに大奮闘を迫られますが、その続きはスクリーンでお楽しみください♪

 何かに憧れたり、夢を見ることはとっても素晴らしいのに境遇や年齢や色々なものを言い訳にして人は諦めてしまいがちです。でもミセス・ハリスはそんなことは一切気にせずにとにかく真っすぐに好きなもの、ことに向き合います。この映画を観ていると改めて夢を持つことに遅い早いはないし、自分のために幸福を追うことはとても大切!って思うハズ。だって辛いことがあった時にこそ好きなものや憧れがあるだけでそれが自分を救ってくれるじゃないですか。周りがどう思うかより自分がどう思っているか、そんな思いに正直に生きるのは決して難しいことじゃないな、と思えます。

そしてやっぱり人間、可愛げが大事!憧れや夢を持ち続ける人には可愛げももれなくついてくる!?私もミセス・ハリスのようにいつまでもトキメキを追いかける人生であり続けるぞ!と思った次第です。

 長年、“眺め愛でるためだけにトム・フォードのスーツを買う”という夢を持ち続けている私、ミセス・ハリスを見習って今こそ実現させるべきなのか!?

By.M