ウラシネマイクスピアリブログ

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『ザ・ロストシティ』

 もう夏が始まってしまった!暑い!湿気、重い!そんな時は映画館で涼みながら気軽な映画が観たくなりますよね。そのご要望にお答えして今回ご紹介するのは6/24(金)公開『ザ・ロストシティ』です。

 歴史学者であり恋愛小説家のロレッタ(サンドラ・ブロック)はスランプ気味な中、やっと新刊を完成!その宣伝ツアーに無理矢理駆り出された彼女はご機嫌斜めな上に小説の表紙モデルのアラン(チャニング・テイタム)が主人公ダッシュに成りきっていることが鼻もちならない。そんな時、小説を読んだ大富豪フェアファックス(ダニエル・ラドクリフ)は彼女が伝説の古代都市“ロストシティ”の場所を知っていると確信し、そこに眠る財宝をゲットしようとロレッタを誘拐してしまうのです。

 この手の映画がお好きな方ならチェックしていた方も多いかと思いますが、その期待を裏切らない明るく、楽しい王道の1本です。お宝探しアドベンチャー映画のお約束を散りばめつつ、これまでの作品と違うのは女性主人公ということでしょうか?

 ひょんなことで孤島に連れ去られ、古代都市の謎を解くため奮闘するロレッタを演じるのは『スピード』『ゼロ・グラビティ』でもお馴染サンドラ・ブロック。数々の映画で成功を収めている彼女はプロデューサーとしても敏腕で本作ももちろん兼務。彼女自身、ハリウッド映画においても年を重ねた女性に役が回ってこないこと、そんな女性が主人公の映画すら作られないことに「だったら自分で作るわ!」と、結構な製作費をかけて作っちゃいました。撮影がコロナ禍だったこともあり、単純に映画館で楽しめる映画を自分が観たかったから、というのもあるようですが、そのマインドがかっちょいいですよね。

 フェアファックスに誘拐され、連れて来られた島から脱出を試みるロレッタですが、歴史学者の血が騒ぎ、その謎を追いたくなります。そんな彼女を救出しようとやって来たのはロレッタの小説の表紙モデル、アラン。恵まれた容姿、鍛えられた肉体の持ち主ですが運動スキルに自信がない彼は「自分1人では無理!」と元海軍特殊部員のジャックを助っ人として呼びます。これをブラッド・ピットが演じたところがツボ。ロレッタを華麗に救出し「かっこよすぎじゃない?」と問われ「見た目だけじゃないよ」と言う男性をシレっとやれるのはブラピぐらいじゃないでしょうか。自分のセルフイメージをうまく使って笑いを取る、大人な余裕を醸し出すブラピにクラクラで美味しすぎる役どころです。(それにしても最近のブラピの仕事選びは最高過ぎる・・・)

 一方でチャニング・テイタム扮するアランはちょっと気弱、むしろ繊細なタイプ。運動神経が決して良くはないので島からの脱出もトラブル続きでロレッタをイライラさせることもしばし。それでも彼が終始一生懸命で誠実に彼女に向き合っている様はなんかグっとさせられ、それを描くシーンはこの映画の裏テーマじゃないかと思ったり。そして何よりアランの人生はチャニングのそれとちょっと被るところもあるので、チャニングファンの方におかれましては、ダブルでグっときちゃうんじゃないかと思います。

 悪役を嬉々として演じてたダニエル・ラドクリフとかも楽しそうだったし、サンドラ姐さんを中心にチームワークバッチリ!そういうのも何だか映画から滲み出ていて、観ているこちらもHAPPYになっちゃいますね。観たいものが観られる1本なのでポップコーン片手にぜひお楽しみくださ~い。

そう言えば、ブラピの役はキアヌ・リーブス案もあったようで実現すれば「スピード」復活だったのかーー。

By.M