ウラシネマイクスピアリブログ

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『英雄は嘘がお好き』

大型台風襲撃で“秋”の到来を楽しむ暇もない、という感じですがこの映画をご覧になって気持ちが軽やかになればな、と思います。今回ご紹介する作品は10/11(金)公開の『英雄は嘘がお好き』です。

舞台は19世紀のフランス、ブルゴーニュ。ボーグラン家の人々は次女ポリーヌ(ノエミ・メルラン)とヌヴェイル大尉(ジャン・デュジャルダン)との縁談が決まり大喜び、というのも束の間、大尉は戦争に駆り出されてしまいます。大尉は必ず手紙を書くと約束したのに音信不通になり、ポリーヌは思い悩み病に臥せてしまう始末。そんな妹を見かねた姉のエリザベット(メラニー・ロラン)は大尉になりかわり手紙を書いて妹に届けることに・・・が、この良かれと思った行為が裏目になる出来事が起きてしまいます。

映画のルックスの通り、本作はお茶目なロマンティックコメディ。エリザベットは帰って来ない大尉に変わって戦地での活躍やらポリーヌへの愛とあることないこと手紙にしたためます。ついには名誉の死をとげたことにして手紙を終わらせたのですが、3年後になって大尉が戻ってきます。そして大尉はエリザベットが創り上げた自身の武勇伝を利用してお金儲けを考える始末。「もう戻って来ないと思ってたのに!」と、彼女のイライラも募ります。

ヌヴェイル大尉はイケメンさんではありますが、軽くて、女好き、お酒好きでお調子者と、こういうタイプの男性の全部盛り!的キャラクター。この役を「アーティスト」でアカデミー賞主演男優賞に輝いたジャン・デュジャルダン(毎度、舌を噛みそう!)が演じる訳ですが、まぁ本当ぴったりで適役。やってることは憎たらしいけどチャーミングなので、彼に振りまわされるエリザベットとのやり取りについつい笑ってしまいます。

エリザベットを演じるメラニー・ロランは「イングロリアス・バスターズ」や「オーケストラ!」にも出演し、監督としても活躍している才女。そんな彼女がコメディ映画初挑戦なのですが、真面目で堅物な姉というのがピッタリ。二人がまさに水と油なのでその合わなさ加減がかえって息ぴったりでお似合いです。

エリザベットは未婚、自分の意見はしっかり表明し、我が道を走っています。そんな性格を表すかのように、体をタイトに締め付けるドレスではなく、ふんわりとしたラインやスタンドカラーっぽいドレスを着用したりと衣装もさりげなく個性的。一方、妹のポリーヌは誰かを愛し、愛されること、そんな人と結婚することが最上の幸せと思っている、男性優位主義だったこの時代、二人の姉妹の対比も絶妙です。

全体的にテンポが良く、お城を舞台にしたコスチュームものなので見た目も華やか。仕事帰りや休日に楽しく、HAPPYになれて軽~い気持ちになれる映画が観たいな、といった時にうってつけな1本ですよ♪

By.M