ウラシネマイクスピアリブログ

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『イエスタデイ』

 あらすじを聞いただけで「きっと面白いに違いない!」とワクワクした映画がついに公開です。今回のつぶやき映画は10/11(金)公開『イエスタデイ』です。

 主人公は全く売れないシンガーソングライターのジャック(ヒメーシュ・パテル)。ある夜、世界規模で謎の大停電が起き、真っ暗になった道路で彼は交通事故に遭遇。昏睡状態から目を覚ました時にあることに気付くのです。「みんなが“ビートルズ”の曲を、その存在を知らない!」と。ジャックはビートルズの曲を歌うことでたちまち売れっ子になっていきます。

 この設定だけでテンション上がりませんか?これまで見向きもされなかったシンガーが「イエスタディ~♪」と口ずさむだけで「ちょ、何それ?むっちゃ名曲!」となるんです。そりゃそうです、だってビートルズの曲なんですもの。世界中でたった1一人、ビートルズの曲を知り、歌える彼は無敵です。しかもその曲に魅了された超人気アーティストが自身のツアーのオープニングアクトをジャックに任せたことで彼の人気はさらに火が点きます。その超人気アーティストにエド・シーランがほぼ本人役で登場するところもサプライズの1つ。

また謎の大停電以降、なかったことになったのはビートルズだけでなく、ビートルズから影響を受けたビートルズフォロアー的ものも含まれ、その辺りのさじ加減もコメディタッチで描かれ、思わず笑っちゃいます。

 これまでは全く見向きもされなかったジャックですが、自分だけが知っているビートルズの曲を使って、調子にのってスター街道をかけあがっていきます。でもやっぱり次第と罪悪感にさいなまれるし、実際自分の才能ではないから落ちこむし、どうも自分以外にもビートルズを知っている人がいるようだと知って悩み始めます。加えて、売れない頃からずっと支えてくれたマネジャー・エリー(リリー・ジェイムズ)の存在が彼の中で変化し始めたことで物語のテーマは別の方向にシフトしていきます。

 この映画、設定がなんともキャッチーで期待値が上がるのですが、それ以外に重要な要素として監督に「スラムドッグ$ミリオネア」「トレインスポッティング」のダニー・ボイル、そして脚本を「ラブ・アクチュアリー」「ノッティングヒルの恋人」「アバウト・タイム~愛おしい時間について~」のリチャード・カーティスが担当しているところ。この布陣を知って、テンションが上がる、そんな映画好きな方も多いと思います。

特にファンタジー要素を散りばめながらラブストーリーや人生についての素敵な物語を紡いでいくリチャード・カーティスの脚本は毎回定評があります。なので、本作においても最初はコメディ要素たっぷりにジャックが違う人生を歩み始めることが描かれるのですが、次第とそこにLOVEな要素だったり、そもそも人が生きていく上で大切にしたい感情、想いって何?ということも描かれ、当初とはちょっと違った場所に観客を誘ってくれるのです。本作ではあるとてもファンタジックなしかけも用意されていて、そのシーンで一気に感情を持っていかれてしまう方も多いと思います。

 そして“世界中のガールフレンド”でお馴染み!?リリー・ジェイムズが本作でもその魅力を存分に振りまいています。最近お疲れの方は劇中を彩るビートルズの名曲と共にリリー・ジェイムズの笑顔に癒されて下さいね♪

By.M