ウラシネマイクスピアリブログ

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『ヴェノム』

2018/11/09

 ダークヒーロー、アメコミ好きな皆さん、お待っとさんです。今回は11/2(金)公開『ヴェノム』をご紹介いたします。

 “スパイダーマン最大の宿敵にしてマーベル史上もっとも残虐な悪が誕生”というコピーがついているヴェノムはもともとスパイダーマンの敵役としてコミックで登場したキャラクター。ビジュアルも結構グロいし、“最悪”の文字は踊るし、さぞかし惨忍でダークな話なんだと思ったら、違った・・・裏切られた!というのが開口一番の感想です。もちろん、良い裏切りですYO!

 主人公のエディ(トム・ハーディ)はジャーナリスト。カールトン・ドレイク(リズ・アーメッド)率いるライフ財団が地球外生命体“シンビオート”を使った人体実験をしているという情報をつかみ、研究所に侵入。が、被験者と接触したことで“シンビオート”に寄生されてしまい、やがて“ヴェノム”と名乗る寄生体と一心同体になってしまいます。

この映画がどんな映画か?を理解するのに一番ふさわしいのは映画評論家・町山智浩さんの「“ヴェノム”はハリウッド版ど根性ガエルだった。」という表現に尽きるのですが、まさにヴェノムがピョン吉、エディがひろし、なこの映画。エディはご主人様でありながら、寄生された存在で、内なるヴェノムの声が大きくなり、飲みこまれると自分の意思を全く無視してヴェノムが行動し始めます。ね、まさにど根性ガエルなんです。

 正義感が強く、ジャーナリストとしては優秀なのに、その真っ直ぐさが故に会社を辞めさせられたエディ。ミシェル・ウィリアムズ(「グレイテスト・ショーマン」「マンチェスター・バイ・ザ・シー」ほか)扮するアンという素敵な恋人からも愛想尽かされた上に謎の生命体に寄生される主人公。なので映画を観る前はヴェノムに乗っ取られた後に自暴自棄も合い間って、さぞかし凶暴な行いをするのか?と思いきや、「ちょっと止めろよ~」といった感じに翻弄されている様が可愛いぐらいで。そう、言ってしまえば萌えキャラなんです。

アンからも愛想尽かされていたのですが、悪いヤツな訳ではなく要領が悪いだけのエディなので、途中からアンの今の恋人にまで心配してもらって面倒をみて貰ったりと労わられキャラにも変貌。もともと弱い人をほっとけない、悪いことは見逃せない、そんなピュアな心がエディにあるからかヴェノムも次第となんだか優しい一面を見せ始め、“最悪”って言ってたけど、いいヤツじゃん!“最高”じゃん、となる訳です。

 現段階でビュジアルで引いている方がいらしたら、これ実写版ど根性ガエルなんで、エディとヴェノムのバディムービーなんで、怖がらずに、いえむしろコミカルで、可愛げがある楽しい作品なんで!というのをお伝えしたい!

 一人二役的にエディとヴェノムを演じたのは「マッドマックス 怒りのデス・ロード」やクリストファー・ノーラン作品のミューズ的存在でもあるトム・ハーディ。演技派でマッチョなボディと裏腹に自分が嫌いだから(他人になれる)役者でいる、と語る程の繊細さも持ち合わせる、まさにヴェノムを演じるにぴったりの逸材だったに違いありません。作品選びも抜群なトムハことトム・ハーディ、以後お見知りおきを~。

そして個人的には今年38歳のミシェル・ウィリアムズのミニスカートの着こなしに勇気を貰ったことも付け加えたいと思います。

By.M