ウラシネマイクスピアリブログ

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『グレイテスト・ショーマン』

 皆さんこんにちは、女住人Mです。去年は『ラ・ラ・ランド』が話題を呼んだこの時期、主演ヒュー・ジャックマン×『ラ・ラ・ランド』の製作チームが贈る・・・というキャッチコピーが付いた本作を楽しみにしていた方も多いんじゃないでしょうか?シネマイクスピアリでも大大ヒット中、今回は2/16(金)公開『グレイテスト・ショーマン』をご紹介します。

P.T.バーナム(ヒュー・ジャックマン、以下おヒュー)は妻チャリティ(ミシェル・ウィリアムズ)と2人の娘を幸せにすることを願う男。事業の挑戦と失敗を繰り返していた時、人とは違うことで社会に受け入れられずにいる人たちにスポットライトを当てたゴージャスなショーを考えだし大ヒット。若い相棒フィリップ(ザック・エフロン)の協力でさらに成功を収めていきます。

 芝居や音楽が上流階級の人々のものだった時代、一般市民にも楽しんでもらおうと新しい形での娯楽を考え出したのが、実在した伝説の興行師、おヒュー演じるP.Tバーナム。とにかくアイディアマン、パワフルマン、前向きマンなバーナムを描くので、それを表すかのように冒頭からアクセル全開!この作品の目玉でもあるベンジ・パセック&ジャスティン・ポールの楽曲が一瞬にして我らを『グレイテスト・ショーマン』の世界に誘います。

彼らは『ラ・ラ・ランド』でアカデミー賞の主題歌賞を受賞、ブロードウェイ・ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』で作詞作曲を手掛け、トニー賞オリジナル楽曲賞を受賞。つまり同じ年に映画と舞台の両方で頂点を極めた音楽チーム。本編中に散りばめられた9曲のオリジナル楽曲はどれも頭から離れない。極上なミュージカルナンバーが次々に登場し、もう始終テンションは上がりまくりなのです。

 そしてこの映画ではショーマン・バーナムの波乱万丈な人生を描くことと並行して、マイノリティであることで差別される人たちに“人と違うことでスペシャルな存在にもなれる!”というメッセージも描きます。バーナムが考えたショーは型破りだったこともあり彼らを受け付けない人々も多く、何度となく壁にぶちあたりもしますが、それでも負けずに立ち上がります。

特に本年度アカデミー賞主題歌賞にもノミネートされている「This is me」では♪ありのままでいる、これが私~♪と歌いあげられ、このシーンでは登場人物たちの心境になって心奮い立つ方も多いハズ。この映画において“ストレートで力強いパフォーマンス”は誰の心にも熱く印象に残ると思います。

 そしてこの映画のその愚直なくらい真っ直ぐな強さはこの作品の座長でもあるおヒューの人柄も影響している気がします。実はおヒュー、皮膚がんの再発が発覚、大事には至らなかったのですが外科手術をした直後に本作のリハーサルに参加します。パフォーマー役の皆が本番さながらに劇中歌を1曲、1曲歌っている時、お医者さんには歌うことを止められていたにも関わらず、そのグルーブ感にテンションが上がり、いてもたってもいられなくなったおヒューは歌いあげてしまったのです。(その模様はyou tube『 Greatest Showman』~ The story Behind The Making of the Movie~で見られます)この座長の心意気にチームは一つに、強固なものになったに違いありません。

 また映画の中で相棒となるザック・エフロンも久々に歌って踊れるザッ君の魅力が活かされた役なだけに、おヒューも若手育成的なマインドもあったりしたのだろうか?的な物語のエンディングもなかなか味わい深いものとなっています。

時代設定は19世紀ではありますが、まさに現代のミュージカル映画という言葉がぴったりなライトでポップでポジティブな1本です!

By.M