ウラシネマイクスピアリブログ

映画を愛するシネマイクスピアリの宣伝担当者が
今後の上映作品を
ウラからナナメから眺めてそっと語るオフィシャルブログ

NEW

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』

 きたー、ついにきたー!先行上映を5/17(土)から始めているので実質公開中!今回ご紹介するのは5/23(金)公開『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』です。(長文、お付き合いくださいませ)

 言わずと知れた「ミッション:インポッシブル」シリーズの第8弾。前作『~デッドレコニング』に続き、敵は暴走したAI、“エンティティ”。世界中のあらゆるシステムに侵入し、制御不能になった“エンティティ”が世界中を恐怖に陥れます。それを回避出来るのは、そうイーサン・ハント率いるチームだけ!助けてイーサーーーン!!

 もう毎回「ミッション~」シリーズをご紹介する時に私の心の絶叫はいつも同じ、「とにかく観て!観ておくんなましー!」に尽きます。映画作りに一生を、自身の命と魂を捧げているトムの思いはシリーズを追うごとに加速度的がcan’t stop、止まらない。最終版ポスターではプロペラ飛行機にぶら下がるトム。スターなのに顔さえきちんと写っていないビジュアルを持ってくるその心意気。そしていつもに増して、このシーンが映画のクライマックスでないところが奮えます。

 物語の前半は潜水艦への潜入というミッションも。深―い深海に沈んだ潜水艦の中でのアクションは巨大洗濯機の中に入れられたようにグルングルン回転する大掛かりなセットを組まれて撮影したとか。強い水圧を受け、少なくなる空気・・・。実はこの後、本作のクリストファー・マッカリー監督が脚本で担当するトムの新作「Deeper(仮)」でも潜水シーンがあるようで、今の経験を次に繋げようとしている、とことん貪欲なトムの姿勢がさすがでございます。

 そして後半はプロペラ機からの空中戦!ある目的のために“エンティティ”を手に入れようとしている悪役ガブリエル。前作はトムと共に走行する列車の屋根の上で死闘、今回は空中での激闘。トムと共にアクションに挑むガブリエル(演じるイーサイ・モラレス、なんとトムと同い年!)の若干、巻き込まれ事故感がたまらない。雑誌LEONからやって来たようなイケオジ・モラレスさん、撮影の度に「えー、これ俺もやるのー」と心の中で思ってそう、と妄想するのも楽しく、ガブリエルは影の功労者と言えましょう。

 一方、自己新記録を更新し続けるトムの空中アクションは前述したように、ポスターのシーン以上のシークエンスがてんこ盛り。『~ローグ・ネイション』の「ベンジー、オープンザドア~』な飛行機の扉にしがみ付くシーンも『~フォールアウト』のヘリからの落下シーンもはじまりに過ぎなかった・・・。常に進化を遂げるトム。もう映画館で観ないでどうする、どうする、です!

 という風にアクションだけが注目を浴びがちですが、タイトルに“ファイナル”が付くだけに集大成的に過去作からの目配せもあり、1作目からのキャラクターまでまさかのカムバック登壇。彼をキーパーソン的位置に配してみせるわ、過去作の出来事をサラッとおさらいフッテージとして入れ込んでくれるわで、華麗に“集大成”感が本作に盛り込まれるその話運び、さすが脚本家としても知られるマッカリー監督の手腕が発揮されています。

 しかもAIやネットに日常が侵されている現代人にとって、劇中の事件はいつ起きるとも知れないリアリティがあり、それに警鐘を鳴らす問題提起をしつつも、我々に今、何が必要なのか提言するそのメッセージ性にもグっときます。

と同時に「AIなんかにゃ負けない!」という生身トム・クルーズ視点での強固な意志も伝わってくるところもたまらない。映画業界もAIに取り込まれようとしているこのご時世で「リアルに勝るものはなし」と自らが旗を掲げ、限界にチャレンジするトムの気概、尊敬の念に堪えません。

 もちろんイーサンの仲間たちも忘れてはいけません。コメディリリーフとしてポジションが確立しているベンジー(サイモン・ペッグ)は今回も最高!重要な役どころに成長した彼、今回はさらなる活躍も。またイーサンが仲間のために無謀な賭けに出てしまう時、登場するのはシリーズ全出演のルーサー(ヴィング・レイムス)です。ルーサーからの助言だからこそ、イーサンも聞く耳を持つ。(結局突っ走っちゃうけども・・w)ルーサーはずっとイーサンを陰ながら支えてたから、という展開も胸アツなんです。 イーサンは一人で暴走しがちですが、それもチームのバックアップがあってこそ。

 最近ではイーサンと敵対していたキャラが気付けばチームに仲間入りする“昨日の敵は今日の友”展開がお馴染み。本作でも前作に登場したキャラがチーム・イーサンの一員としてさらに活躍するのでご期待ください。トムは普段から自分と一緒に仕事をする仲間に(それがどんな立場の人であろうと)感謝の言葉を忘れません。そういう姿勢がイーサンにも投影されるから「ミッション~」シリーズはチームものとしての一体感もあるんですよね。

 本作が最終章だと、NYプレミアでトムが公言してしまいました。イーサンに会える最後のチャンス!?見逃さないでーーーー!!

By.M