ウラシネマイクスピアリブログ

映画を愛するシネマイクスピアリの宣伝担当者が
今後の上映作品を
ウラからナナメから眺めてそっと語るオフィシャルブログ

『gifted/ギフテッド』

 2017年もあっという間に終わりです。この1年もシネマイクスピアリをご愛顧いただきありがとうございました!今回は年明け1/5(金)から公開するオススメの1本、『gifted/ギフテッド』をご紹介いたします。

タイトルの“ギフテッド”とは生まれつき何か突出した才能を持つ人のこと、またその才能を指します。本作における“ギフテッド”は亡き母の血を引き、生まれながらに数学の天才的才能を持つメアリー(マッケナ・グレイス)。「普通に育てたい」という亡き母の意思を継いで叔父のフランク(クリス・エヴァンス)は猫のフレッドと一緒に3人で仲良く暮らしていたのですが、メアリーの才能が明るみになったことでその日常に変化が生じ始めます。

都内では11月から公開され、未だ口コミで人気が広がっている本作がついにシネマイクスピアリにも登場です。主人公のメアリーちゃんは“ギフテッド”があること=人とは違うことで幼いながらに辛い思いをしてしまいます。可能性がまだまだ広がる子が近くにいたら、大人だったらそれを伸ばしたいと思うでしょうし、自分が出来ることなら、とその子優先で何かしてあげようとも思います。でも得てしてそれは当事者の意思は無視されて本人にとって全く望まない方向に進む、ということも・・・。この映画の中では自分の娘に託せなかった夢を孫のメアリーちゃんに託そうとする、彼女の祖母がまさにそんな存在として登場します。

これってきっと子供を持つ親もそうですが、いろいろな人間関係において当てはまると思うんです。誰しもその子(人)がもっと幸せになるように、と思っての行動であっても本人が望んでいなければ元も子もありません。善意の気持ちが押しつけになると人間関係がこじれるだけですもんね。

その子にとって大切なものは何か、というのを考えることはひいては人生について大事なことって何?に繋がると思います。幼くして母を亡くし、父親も知らないメアリーちゃんにとってのそれは“家族”、つまりフランクや猫のフレッドと一緒にいること、だったのです。

この映画の中ではメアリーちゃんたちのご近所さんとして、ロバータ(オクタヴィア・スペンサー:映画『ドリーム』でも大活躍!)も登場します。彼女はもちろん他人なのですが、彼らの境遇を知ってメアリーちゃんの面倒をみたり、フランクの相談相手にもなります。血が繋がっていなくても、こうやって相手のことを慮って接し、大切にし、愛する関係性も“家族”って呼んでもいいんじゃないかな~、なんて思えたり・・・。

そしてメアリーちゃんが悲しんだりするシーンはこちらまで心を切り裂かれるような気持ちにもなりますが、それもメアリーを演じたマッケナ・グライスちゃんの演技が素晴らしい!ということも外せません。これまでも「なんて恐ろしい子!」と思わせる演技をする子役は出てきていますが、マッケナちゃんは間違いなく何年に1度しか出てこない逸材。こんなにうまいのに鼻につかず(笑)、しかめっ面も笑顔も本当にキュート!!彼女の存在自体がこの映画にとって“ギフテッド”にもなりました。

またフランク役のキャップテン・アメリカことクリス・エヴァンスほか大人の役者たち全員がマッケナちゃんのサポートにまわり、引きの演技をすることでこの映画そのものが温かい思いやりに溢れた作品になっているところもポイント!こういうウェルメイドな映画に出会えた時の至福感といったら・・・。
2018年映画はじめにふさわしい1本としてもオススメです♪

By.M