ウラシネマイクスピアリブログ

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『マイティ・ソー バトルロイヤル』

 皆さんこんにちは、女住人Mです。今回ご紹介するのは11/3(金)公開『マイティ・ソー バトルロイヤル』です。

今やアベンジャーズの一員として地球も救う神の国アスガルドの王子ソー(クリス・ヘムズワース、以下クリヘム)。封印されていた死の女神ヘラ(ケイト・ブランシェット)が突如出現し、いとも簡単にソーを辺境の惑星に弾き飛ばしてしまいます。アスガルドを滅ぼし、宇宙支配を企むヘラに立ち向かうため、ソーはまさかの再会を果たしたハルク(マーク・ラファロ)、訳ありの女戦士ヴァルキリー(テッサ・トンプソン)そして義弟ロキ(トム・ヒドルストン、以下トムヒ)と手を組み、アスガルドに向かいます。

 MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)というシリーズものなのに、毎回思わぬ方向からサプライズを与えてくれるマーベル映画、今回もやってくれました!思えば『マイティ・ソー』1作目はシェイクスピア俳優でお馴染ケネス・ブラナーが監督したこともあり、神の国のてんやわんやを品格たっぷりに描いていたのですが、3作目である本作は「え?これが同じシリーズの映画なの?」と思わせて来るほどの弾けっぷり。

 MCUシリーズでも人気が高い『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』よろしく音楽アゲアゲ↑、世界観もカラフル、セリフのやり取りはもはやコメディ映画かよ!と突っ込みたくなるぐらいで、最初から最後までむちゃくちゃ楽しい1本になっています。

それもそのハズ、監督がコメディアンとしても活躍するタイカ・ワイティティ(しかもイケメンさん)だから♪「モアナと伝説の海」でThanksという形で脚本にも関わっていましたが、ワイティティ監督は知る人ぞ知る存在。当初はこんな人に任せても大丈夫なのか?と思った映画ファンもいたと思いますが、結果全米も、日本もこの週末ランキング1位と絶好調スタート。

(死の女神ヘラを演じるはケイト様!御髪の変身スタイルが超絶素敵!)

MCUシリーズはディズニー映画の中でも重要コンテンツな訳ですが、と言って大御所が監督する訳ではなく、大抵がインデペンデント映画界隈でザワザワと騒がれている程度の人が抜擢され、これまでとは全く異なる予算、環境の中で映画を作って、どれも大成功。ここが凄い!!これもマーベルの製作社長でありプロデューサー、ケヴィン・ファイギの先見の明があり過ぎってことなんですが、自由にやらせたケヴィンP、そして思いのままやっちゃったワイティティ監督、共にブラボーです。

ソー役のクリヘムも『ゴーストバスターズ』(2016)でおバカキャラのケヴィンを演じ、さらにファン拡大!(私調べ)。本作でもワイティティ監督の悪ノリにのりまくって、ハルクやロキと漫才を繰り広げ、トレードマークの長髪も短髪にし(劇中のヘアカットシーン、最高!)男前に磨きもかかりました!

 そして「マイティ・ソー」シリーズと言えば、ソーと血の繋がらない弟ロキとの確執・・・
自身の出自に関する思いをこじらせ、ずっとソーを裏切り続けたロキ。兄上ソーは好きだけれど、自分は誰からも本当には愛されてはいなかったという思いで今もなお屈折しているロキが故郷アスガルドのピンチにソーとどう立ち向かうのか。思えばロキ役のトムヒはテイラー・スウィフトと付き合ったことでの黒歴史で心病んだ時期があった模様。ワイティティ監督の悪ふざけにロキもノリノリだったのでこの映画が精神のリハビリになっていたらこれ幸いです。

 と、ワイティティ監督印に染まった本作を“ワイティー・ソー”と呼ぶ人も出てきたりするほど。こういう作り手のカラーがバッチリ出る作品はそれに関わる人たちが楽しんで愛情をかけて作っているので映画そのものも傑作になる確率高しです!驚きのカメオ出演スターたちの寸劇もお見逃しなく!!

By,M