ウラシネマイクスピアリブログ

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『ゲット・アウト』

皆さんこんにちは、女住人Mです。まもなくハロウィン、ハロウィンと言えばホラー系?!ということでこのジャンルで猛烈にオススメする作品の公開が続くので、2週に渡ってご紹介いたします。今回は10/27(金)公開『ゲット・アウト』です。

主人公はNYで暮らすアフリカ系アメリカ人写真家のクリス(ダニエル・カルーヤ)、白人の可愛い彼女ローズ(アリソン・ウィリアムズ)がいるイケてる彼。週末に彼女の実家に招待され、自身が黒人であることを心配しながら、ローズの両親と初対面。実際には大歓迎され、ホッとしたのも束の間、「何だかおかしい」出来事がいくつもいくつも起こり、じわじわと"恐怖"が彼を襲うことになるのです・・・・

本作は今年2月に全米で公開されると低予算映画ながら初登場No.1を記録し、その後8週連続TOP10入り、全世界的にも大ヒットを記録し、今年上半期に最も話題をさらった映画と言っても過言ではありません。その大ヒットの要因を考えるに作品自体のオリジナリティ性にあるんじゃないか、と踏んでいます。"彼氏を初めて両親に紹介"というシチュエーションだけ考えても「どこの馬の骨ともわからんやつに俺の娘がやれるか」問題というお決まりの展開、プラス違う人種同士問題も加われば余計にややこしいことが起こりそうだな~、と想像はできます。

なのできっとこの映画もボーイフレンドを両親に紹介したことから浮き彫りになる人種差別をテーマにした映画か、と観ていると、物語はちょっと違った方向へ進んでいきます。なぜならローズの両親はクリスを心からウェルカム!なのだから・・。

それでも、どうもローズの家は何だか変。「黒人に偏見はない」と語るローズの両親は確かにそうなんだろうけど、フレンドリー過ぎるし、そんな発言をする割に雇っている庭の管理人も家政婦も黒人ばかり。しかもこの人たちの言動が全て変・・・「何だかおかしい」が積み重なるにつれて、ついにクリスはある衝撃的事実を知ってしまうのです。「こいつらむちゃくちゃおかしい!!!」と。

もうそれが明るみになった時は「そう、きたかぁぁぁぁーーーーー」と声をあげたくなること必至な展開!!!!この衝撃、ちょっと毛色は違うのですが、去年の冬公開し、シネマイクスピアリでも大大ヒットをした『ドント・ブリーズ』(:お屋敷に泥棒に入ったら出くわした住人のじいちゃんがトンデモだった!的ホラー映画)を彷彿させる感じなんです。クリスが「こいつらマジかっ!」と気付いて以降は「ドンド・ブリーズ」同様、観客の想像を越える展開にきっと震えることでしょう。と、同時にその話の持って行き方の絶妙さに、ニヤリとしたくなるハズ!確かにテーマは"人種差別"ではあるのですが、思ったのとは別の方向からそのテーマを深堀りしてくるんです。

(クリスの相談相手、親友ロッドが最高!本作はバディ(相棒)映画としても秀逸です。)

 本作の監督・脚本・製作はコメディアンでもあるジョーダン・ピール。コメディで培ったそのセンスが本作の中でもいい塩梅に加わり、恐怖の中に絶妙な笑いがやってくる。ここまで読んで頂き本作にもし興味を持っていただけたなら、予告編も何ならポスターもチラシもチラ見程度で本編をご覧になることをおススメします!そしてエンディングを知った時に「きっとあっちヴァージョンもあったんじゃないかな」と想像するハズ。はい、それ正解です!

By.M