ウラシネマイクスピアリブログ

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『グランツーリスモ』

 今回は前代未聞のプロジェクトに挑んだ者たちの熱いドラマ、観終わった後、満足感に浸れることをお約束します、9/15(金)公開『グランツーリスモ』をご紹介します。

 言わずと知れた日本発の世界的販売数を誇るプレイステーションの人気ゲーム“グランツーリスモ”。今年は『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の大ヒットが記憶に新しいところなので「ゲームの世界を楽しく描く映画かな?」と想像しますが、そこは否。本作は“グランツーリスモ”のゲーマーたちが実際のプロレーサーをめざす実話の映画化なんです。

 主人公のヤン(アーチー・マデクウィ)は“グランツーリスモ”の大ファンにしてトッププレイヤー。レーサーになりたい夢を持ちながら叶えられずゲームに明け暮れる日々。そんな彼の元に“GTアカデミー”からの招待状が届く。それは日産とプレイステーション、ソフト開発会社が手掛けたドライバー発掘・育成プログラム。バーチャルで見い出されたドライバーたちをリアルなレースで本物のレーサーとして活躍させるものだった。予選を勝ち抜き見事“GTアカデミー”に参加することになったヤンだったが、もちろん現実は甘くはなかった・・・

 とにかく胸アツ!ゲームや車、レースの映画だと思ってたんですが、それだけじゃなかった、いやそうじゃなかった、と言ってもいいかもしれない。希望、挫折、奮起、カタルシスとまるで王道スポ根映画の要素がてんこ盛りだったんです。

 千歳一隅のチャンスを手にしたヤンは“GTアカデミー”の一員となりその真価が問われます。でも「ゲームと現実世界を一緒にしてもらったら困りますぜ」とマスコミもレーサーたちも冷笑気味。ヤンたちを本物のレーサーにするために指導を引き受けたジャック(デヴィッド・ハーパー)ですらこのチャレンジに心からは賛同していないんです。だってゲームでは字面上の「ゲームオーバー」も現実には最悪の場合「死」を意味し、そのリスクを一番わかっていたのは元レーサーの彼だったから。

 それでも周囲からの偏見にもめげず、レーサーになる夢を叶えるために努力を惜しまないヤンの姿にジャックの考えも次第に変化していきます。整備士としてくすぶっていたジャックが、今まさに夢を追いかけるヤンにあの時の自分を重ね、そして夢を叶えさせたいと二人が強い絆で結ばれる過程に、グっときちゃう!演じたデヴィッド・ハーパーがむちゃくちゃいい!

加えてヤンが選ぶ道をいつも否定的なスタンスでしかとらえていなかった父親(ジャイモン・フンスー)との関係性もあるあるで、親子映画としても沁みちゃうんです。息子を心から信用しきれていなかったことに対する後悔の念を父親が伝えるセリフ、特に年頃のお子さんを持つお父さん、お母さんが聞いたら号泣だと思いますYO!

 思った以上にドラマ要素が強く、登場人物の関係性や彼らの成長がしっかり描かれていたことがとても好印象!冒頭で「言わずと知れた」と書きましたが、この映画化が発表されるまで私は「グランツーリスモ」のグの字も知らなかったんです。(てへっ)そんなゲームも車もレースに普段興味を示さない私がオススメする作品なので私のような方ほど、この映画にハマってしまう可能性大です。

監督がニール・ブロムカンプ(『第9地区』など)と聞けば、映画ファンなら「おっ」と思ってもらえるハズですし、監督自身、日産のR35 GT-Rを3台所有する車好きなので、メカフェチの方は無条件に観てほしい1本ですYO。

By.M