ウラシネマイクスピアリブログ

映画を愛するシネマイクスピアリの宣伝担当者が
今後の上映作品を
ウラからナナメから眺めてそっと語るオフィシャルブログ

『ブレット・トレイン』

 先月、ブラッド・ピットほかご一行様の来日があり、厄祓いをする厳かなブラピ、新幹線に乗っておどけるブラピ、ファンサービスに手厚いブラピとHAPPYオーラ全開なブラピをTVやネットでご覧になった方も多いと思います。そんなご機嫌なブラピの最新作9/1(木)公開『ブレット・トレイン』をご紹介いたします。

 東京発京都行の超高速列車に乗り、ブリーフケースを盗んで降りろ!それは殺し屋レディバグ(ブラッド・ピット)にとって簡単な任務のハズだった。しかし車内で何人もの殺し屋に次々に命を狙われる。そう彼はいつも事件に巻き込まれてしまう不運な男だった・・・というのがあらすじ。そして本作は伊坂幸太郎の小説「マリアビートル」の映画化です!

 来日した『ブレット・トレイン』ご一行様は京都行の新幹線に乗り込んでの車中記者会見、京都の劇場でレッドカーペットと映画さながらのシチュエーションで来日イベントを楽しまれていましたが、何なんですかね、最近のブラピ!個人的には若い時より今のブラピが断然素敵に感じます。力が抜けた感じが大人の余裕を醸し出すとでも申しましょうか。それでいて好きな仕事に全力投球、もちろん楽しみながらEnjoy♪という雰囲気に包まれるブラピは素敵過ぎてけしからんのレベルです。

 ブラピ扮するレディバグ、腕はいいけどとにかく不運。自分が関わると無関係の人が酷い目に遭うので心が折れセラピーにも通い、復帰第一弾として軽めの仕事を選んだ、という設定。でも思うように全く行かないというトホホなレディバグがたまりません。ブラピ自身、刑事コロンボをちょっとイメージしたそうで、言われてみればそんなダメダメ感もチャーミング。でもだからといってブラピ頼みの映画になっている訳ではなく、彼の命を狙う殺し屋たちがみな個性的でいい!

おそらく一番人気はタンジェリン(アーロン・テイラー=ジョンソン)とレモン(ブライアン・タイリー・ヘンリー)コンビ。喧嘩するほど仲が良い二人のバディ感が抜群。原作を踏襲して機関車トーマス好きなレモンが人を常にトーマスキャラ例えするコミカルさもたまらない。と笑いも多いのに列車の中という限られた空間で繰り広げられる殺し屋たちのアクションシーンは見どころ満載!

 それもそのハズ、監督のデヴィッド・リーチは元々スタントマン。『デッドプール2』、『ワイルド・スピード スーパーコンボ』の監督と聞けば作風もわかってもらえるハズ。スタントを熟知している彼が監督をするからこそテンポもキレ味も抜群。思う存分やっちゃってる感がスカっと爽快です。そして監督は『ファイト・クラブ』『Mr.&Mrs.スミス』を始めブラピのスタントダブルを何度も担当していた経歴の持ち主。そう言えばタンジェリン役のアーロン・テイラー=ジョンソンが主役を演じた『キックアス』はブラピのプランBが製作。時を経てまた仕事を共にするというのはなんか素敵です。

しかもレディバグに指令を出すマリア役のサンドラ・ブロックの出演も互いの出演作に登場することにした(ブラピは『ザ・ロストシティ』にイケメン過ぎる暗殺者として出演)、そんな縁があったりします。この映画は“Luck”にまつわる作品でもあるので、この映画に関わる人たちの中で既に“Luck”が影響し合っているのがまた良いですね。

 そして散々ブラピが素敵と力説しましたが、私の心を最終的にかっさらっていったのはエルダー役の真田広之。言わずと知れたハリウッドに渡ったレジェンド俳優。私たちが観たいハリウッド映画におけるHiroyuki Sanada参上!真田さんが持つオーラ、重みのある佇まい、所作の優雅さが余すことなく発揮されたこの役どころに、ありがとう、デヴィッド・リーチ!となったことは伝えねばなりません。

 伊坂幸太郎印なストーリーテリングの巧みさはそのままに、ハリウッド映画らしいエンタメアクション映画になっているので原作ファンの方にも観ていただきたいです♪

By.M