ウラシネマイクスピアリブログ

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『ゴーストバスターズ/アフターライフ』

 NYの街に現れたゴーストたちを退治する『ゴーストバスターズ』が公開されたのは1984年。テーマソングやNOゴーストのマークは今でも巷に登場するので映画を観たことがなくても知らないうちに馴染みある方も多いのでは?そんな『ゴーストバスターズ』の新作がついに登場、今回ご紹介するのは2/4(金)公開『ゴーストバスターズ/アフターライフ』です。

 フィービー(マッケナ・グレイス)はお母さんと兄(フィン・ウルフハード)との3人で都会から祖父が残した田舎の古びた農場に引っ越してきた。でもそこで見たこともないハイテク装備の数々や地下の研究室を見つけたことで祖父が“ゴーストバスターズ”の一員だったことを知る。そしてこの町で頻発する地震の原因がゴーストの仕業だと付きとめたフィービーはゴースト達を再び封印するために立ち向かう!

 映画が終わり漏れ出た感想は「これは反則じゃぁぁー」の一言です。元々、私は少年少女がひと夏の冒険を経て大人になる成長譚的な物語が大好物なんです。何せ『グーニーズ』や『E.T.』で育った世代なもので・・。周りからちょっと浮いた存在だったメガネっ子女子フィービーがひょんなことから仲良くなった友達(ポッドキャストくん最高!)やお兄ちゃんと力を合わせゴーストたちに立ち向かう!しかもお得意の科学スキルを駆使して~、というあらすじを聞くだけでご飯が美味しくいただけます。

 加えてキャスティングのフレッシュさよ。フィービー役は全米の芦田愛菜先輩こと『gifted ギフテッド』の天才子役マッケナちゃん、演技の達者さはお墨付きです。“ゴーストバスターズ”の一員イゴン・スペングラーの孫設定でくるくるした髪型に丸メガネでイゴンを演じたハロルド・ライミスに風貌を寄せた彼女が好奇心を原動力にゴーストの謎に突き進む様は背後にイゴンが透けて見えてそれだけで胸アツ!

 イゴンを演じたハロルドは既に他界しているために亡くなったおじいちゃん設定。母親とおじいちゃんの仲が良くなかったためフィービーとも疎遠だったようですが、それでも強い血筋を感じざるを得ない、フィービーから放たれるイゴンの孫感がパーフェクト!そう、この映画は“ゴーストバスターズ”を継承する物語にもなっているんです。

 この“継承”は物語内だけでなく、映画の枠組みも同様で本作の監督ジェイソン・ライトマンが『ゴーストバスターズ』1~2作目の監督アイヴァン・ライトマンの息子なことは往年のファンの方はチェック済みかと思います。父ライトマンは本作で製作に名を連ねているので「こんことまでやってくれるの?」という展開も随所にあり!

息子ライトマンは『マイレージ・マイライフ』『ヤング≒アダルト』ほか数々の秀逸な作品を送りだしている監督で、父が作った“ゴーストバスターズ”の世界観を踏襲しつつ、エモーショナルに物語を紡いでいくので、後半には「反則だよ・・・」となるまさかの感動が・・・(涙)子供の成長譚だけでなく疎遠だった娘(フィービーの母)と父(イゴン爺ちゃん)の和解の物語にまで昇華してくれるだもの。しかもあんなやり方で・・・たまらん、たまらん。

 父ライトマン版の『ゴーストバスターズ』を知らなくても、フィービーを始め子供たちも過去映像で“ゴーストバスターズ”をチラっと知っていただけ、という設定なので初めての観客もフィービーと同じ目線で“ゴーストバスターズ”を知ることが出来るのでご安心あれ!初“ゴーストバスターズ”でもその継承の物語に、家族の和解、さらなる団結の展開に涙すること間違いなし。そしてあの当時を知っていた方ならさらなる深掘り感動がプラスONされることでしょう。

 マシュマロマンも今回はミニミニサイズで大増殖!旧作へのリスペクトに溢れ、でもノスタルジーだけでは終わらない、新しい次に繋がる夢に溢れた本作は親子でも楽しんでいただきたい1本です♪

By.M