ウラシネマイクスピアリブログ

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『パリ、嘘つきな恋』

 ラブコメ映画好きな皆さん、お待たせしました!アムールの国おフランスからチャーミングで大人なラブストーリーがやってきました。今回は5/24(金)公開『パリ、嘘つきな恋』をご紹介いたします。

 ジョスラン(フランク・デュボスク)はシューズ輸入会社で働く自称イケてるオヤジなビジネスマン。恋愛に関しては一時的な楽しささえあれば良いと、独身生活満喫中。ある日ひょんなことから車椅子に座っているところを魅力的な女性ジュリー(キャロライン・アングラード)に見られて、「車椅子生活を送っている」と嘘をついてしまいます。それを信じたジュリーがジョスランに紹介したのは車椅子生活を送る魅力的な美女、姉のフロランス(アレクサンドラ・ラミー)。嘘から始まった出会いでしたがジョスランは本当の事が言えぬまま、どんどん彼女に惹かれていきます・・・

 恋愛関係に関わらず、“嘘”というのは大概がバレるものですし、そんなことで手に入れたモノに何の価値があるものか、と言うものですが、本作の主人公ジョスランは車椅子生活をしているフリをし同情を買ってでも、女性とどうにかなろうとするという残念な男です(笑)付き合いもその場しのぎで、秘書のマリーも不器用ながらも懸命に彼にサポートしているのに全くもってゾンザイな扱い。そんな男が恋愛どころか真面目な人付き合いも出来ているのか?と感じなくもない。でも彼は人たらし的な魅力もあるようで、どこか憎めないタイプ。周りに恵まれ、助けられ「あいつだからしゃーないか」と思われている感じ、とでも申しましょうか。

そしてフロランスと出会った彼の心はすぐにトキメキます。彼女は美しく、健康的で明るく朗らか、男性だけでなく周りの人全てを魅了するような女性。それだけでなく自分の現実をマルっと受け入れ、ヴァイオリニストとして世界中を飛び回りながらも車椅子テニスまでやっちゃう、自分をきちんと肯定している女性だったのです。

ジョスランは一見、全てを手に入れているように見えますが、実は自分という確固たるものがなく、それを認めるのが怖くて、あえて軽薄キャラを装っているようにも見えます。車椅子生活を送るフロランスの方が人生を制限つきで送っているように思えますが、自己肯定が出来ず心を解放出来ぬままでいるジョスランの方がよっぽど自分にブレーキをかけているんです。

そんな彼の前に現れたフロランスは自分にはない考えを持ち、自分をまっすぐ見つめて生きていて、何より人生を謳歌している女性。となると恋に落ちない訳がない。人は自分にないものを求めてしまうものですね。しかもジョスランは恋に落ちれば落ちる程、本当のことが言えなくて臆病にも拍車がかかっていきます。

 とは言え、不甲斐ないジョスランではありますが大人の余裕は持ち合わせているので、フロランスとのデートはどれも「最高か!」と思わされるぐらいの素敵なシチュエーションばかり。ロケーションもパリやプラハでうっとり要素も満載なので映画を観ているこちらのトキメキ度数も上がっちゃうと思います。

 果たして、嘘から始まった恋はどんな顛末を迎えるのでしょう?

 総じてジョスランはダメダメおじさんでフロランスがとにかく魅力的な女性なので「何も彼じゃなくたって」と思うぐらいなのですが、それ故かこの映画、おじ様方にもとても評判が良いので、普段はこの手の映画をご覧にならない方も是非、奥さま、恋人など誘って観に来て下さいね♪毎日を楽しむこと、それは人生が豊かになることかな、なんて思わせてくれる素敵な1本です。

By.M