ウラシネマイクスピアリブログ

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『アリー/ スター誕生』

 今年は『グレイテスト・ショーマン』、『ボヘミアン・ラプソディ』と音楽映画の当たり年ですが、年末にこれまた本命な1本が公開されます。今回は12/21(金)『アリー/ スター誕生』をご紹介いたします。

歌手を夢見るウェイトレスのアリー(レディ・ガガ)。ある日、大物ミュージシャンのジャクソン(ブラッドリー・クーパー)に才能を見い出され、導かれるように恋に落ち、歌手としても一気にスターの階段を駆け上がる・・・が、それと対照的にジャクソンのキャリアには陰りがさし、2人はすれ違っていく・・・という物語。

 予告編でも流れるレディ・ガガが歌う「Shallow(シャロウ)」は一度聴いただけでも耳に残る曲なので、既に気分が高まっている方も多いと思います。またこの予告編が観客の期待感を煽るようによく出来てるし、とにかく全編に渡ってレディ・ガガの魅力が最大限に生かされています。冒頭のガガ様はほぼスッピンで登場。「声は良いと褒められるけど、この鼻がね・・・それで売れないの」と容姿に自信なさげな発言をするピュアなガガ様は総ツッコミをいれたくなるぐらい、ナチュラルに可愛い。

そんな彼女の中にキラリと光る才能を見逃さないジャクソンは自身のライブで「君なら出来る」と突然ステージに上げるのです。もうこのシーンに説得力がなければこの映画全部おじゃんな訳ですが、そこはガガ様なんでもう彼女の圧巻の歌唱力が際立つの何のって!この役、今誰が演じるのが最もふさわしいか、を考えた時に「ガガ様しかいないね」と誰もが思うことでしょう。

一見、よくあるシンデレラストーリーにも思えますが、アリーは一本筋の通った芯のある女性というのがまた魅力的。大物ミュージシャンに認められ、見初められ、一気にスターにもなれば自分を見失いがち、パーティーピーポーになり下がるのは世の常ですが、彼女はそうはならない。

これまで人一倍苦労をしてきたアリーはショービジネスの甘い誘惑にのることなく、地に足をつけて前へ進むのです。そして自分を見つけてくれたジャクソンとの関係も急激に深まり、アリーのシンデレラストーリーから始まるこの物語は徐々に2人の愛の物語になるのです。

 アリーの相手役ジャクソンを演じるのはブラッドリー・クーパー。何年か前まではイケメン過ぎて「ハングオーバー」シリーズといった軽めの役が多かったのですが、最近では「アメリカン・スナイパー」ほかの作品で3度アカデミー賞にノミネートされる程の演技派俳優の印象が浸透しています。当初、監督:クリント・イーストウッド×主演:ビヨンセで始まったこの企画ですが、ビヨンセがおめでたいご懐妊で降板、イーストウッドも降板し、イーストウッドの弟子筋的存在のブラッドリーが主演、監督を兼務することになりました。

これが初監督ではありますが、冒頭のジャクソンのライブシーンからもう彼の監督、俳優、そしてミュージシャンとしての才能が光りまくりで、この映画を観ると観客の7割方はブラッドリーにメロメロになるかと思います。歌えて、演技出来て、イケメンで監督もして、しかも劇中、フェロモンがダダ漏れしてますんで・・・。監督という立場でガガ様の魅力を最大限に引き出したことで、意図せず自分の才能まで見せつけた彼の今後の役者として監督としての活躍は本当に楽しみです。

 人生はたった1つ、たった1人の出会いで大きく変わることがあります。アリーとジャクソンはまさに出会うべくして出会った2人なのですが、出会ったことで変化が生まれてしまいます。何かを得るということは何かを失うこと・・・でも言えるのはアリーもジャクソンも確かな愛を得た、と言うことかもしれません。

 アカデミー賞の前哨戦と言われるゴールデングローブ賞では作品賞ほか5部門ノミネート、これからの賞レースをにぎわすこと間違いなし!この映画を観て、ドラマチックにクリスマスを、年末年始をお過ごしください♪

By.M