ウラシネマイクスピアリブログ

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『イコライザー2』

 酷暑の夏の後、台風の猛威のせいで暑かったり寒かったりと体調を整えるのに気を遣う時期ではありますが、皆さんお元気にお過ごしでしょうか?そういった前置きとは関係ないのですが、今回は10/5(金)公開『イコライザー2』をご紹介いたします。

 アカデミー賞常連俳優でもあるデンゼル・ワシントン扮するマッコールさん。普段はホームセンターで働く気さくな真面目人間、その実態は元CIAのトップエージェント。社会の悪を抹消し平和を保つ“イコライザー”として必殺・仕事人ばりに悪いヤツを完膚無きままにやっつけておりました。それが2014年に公開された『イコライザー』です。

マッコールさん、本作ではタクシー運転手に転職。新しい街で生活をしていたある日、CIA時代の上司スーザン(メリッサ・レオ)が何者かに殺害されたことを知り、独自に捜査を始めます。唯一心を許していた親友でもある彼女の死因が腑に落ちないマッコール、真相を突き詰めていくうちにその手口からCIAの関与が浮上、敵は彼と同様のスキルを持つスペシャリストの仕業であることを掴みます。

『イコライザー』シリーズは『96時間』シリーズのリーアム・ニーソン然り、“怒らしてはいけない人を怒らせてしまいました”系、“ナメていた相手が殺人マシーンだった”系ヒーローとて今や映画ファンの間では人気のジャンル。前作では自身の経歴を一切封印し孤高の生活を送ってきたマッコールさんでしたが、ひょんなことからその能力を世のため人のために最大限に活用しよう!と思い改めており、本作においては裏稼業が半ば本職となっています。

そういう意味においてナメる隙もなく、佇まいからしてヤバ味が漏れ出てしまっている・・・といった点においてはギャップ萌えが減り、個人的には残念なところではありますが、まぁとにかく今回も悪いヤツには一切容赦ないマッコールさんのその荒ぶれっぷりを心ゆくまで楽しめる120分になっています。

監督は『トレーニング デイ』でデンゼルを主演男優賞にもたらし、その後『イコライザー』、『マグニフィセント・セブン』とデンゼル主演映画を作り続けている“デンゼル好き過ぎる”アントワーン・フークア。どの作品もとにかくデンゼルのかっちょ良さをスクリーンに焼きつけるデンゼル至上主義映画でフークア監督の愛がほとばしっています。多分『イコライザー』をシリーズ化する予定は(今年64才のデンゼル本人には少なくとも)なかったと思いますが、フークア監督があまりにもデンゼルを素敵に撮り過ぎたからか前作は世界的に大ヒット!それを受けての続編となりました。

前回では孤高の男、という色合いが濃く彼の素性は詳しくは描かれてはいませんでしたが本作ではマッコールの内面、彼の過去の出来事も語られたり、同じアパートに住み自分のように一人ぼっちで生きている若者マイルズ(アシュトン・サンダース『ムーンライト』)との疑似親子的交流もあり彼の人格がより立体的に描かれているので、さらにマッコールファンも増えることでしょう。

そして前作の終盤、自身の職場であるホームセンターで敵を迎え撃ち、工具やらをあれよあれよと武器に変えてしまうDIY(Do It Yourself)精神溢れる闘いっぷりが伝説となりましたが、本作では『007スカイフォール』を彷彿させる重厚感たっぷりなクライマックスシーンが描かれ、また見ものです。デンゼルの無双っぷりをこれでもか、と見せつけつつも彼の温かい一面を描いたことで“イコライザー”シリーズはさらに円熟さを増したのでした。なんと全米では前作を越える大ヒットとなった本作、シリーズ3本目は作られるのか??フークア監督は作りたいだろうなぁ~・笑

By.M