ウラシネマイクスピアリブログ

映画を愛するシネマイクスピアリの宣伝担当者が
今後の上映作品を
ウラからナナメから眺めてそっと語るオフィシャルブログ

『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』

 今年はアカデミー賞にノミネートされている作品の多くが既に公開済みなので、「どれが受賞するのか?」と予想を立てるのも楽しいですね。今週は脚本賞にノミネート、1/31(金)公開『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』をご紹介いたします。

 舞台はニューヨーク郊外の大豪邸。世界的ミステリー作家ハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)85歳の誕生日パーティーの翌朝、彼が遺体で発見される。容疑者はパーティーに集まった家族全員。そして事件から1週間後、匿名の人物から捜査を依頼されたブノラ・ブラン(ダニエル・クレイグ)が事件に挑む!

 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の監督に大抜擢されたライアン・ジョンソンが大仕事の後にチャレンジしたのが本作。ミステリー好きな監督がアガサ・クリスティにオマージュを捧げながらもオリジナル原作で手掛けました。なので「オリエント急行殺人事件」といったミステリーものがお好きな方はドンピシャ!でハマってもらえる作品だと思います。

 中でもそのキャスティングに注目!ハーラン爺ちゃん演じる、クリストファー・プラマーを筆頭にその子供たちにホラー界!?からは「ハロウィン」のジェイミー・リー・カーティス、「ヘレディタリー/継承」のトニ・コレットという2大女優が降臨、これにマイケル・シャノン(「シェイプ・オブ・ウォーター」ほか)が加わってくせ者感も増し増し。
(この役者さんたちを知らなくてもその演技を見れば彼らの一筋縄ではいかない感じはわかってもらえると思います。)

その上、一族の問題児ハーランの孫にキャプテンアメリカでお馴染クリス・エヴァンスまでアッセンブル!ここ数年ずっと正義のアイコンを演じ、プライベートでもその印象が強い彼がパブリックイメージを逆手にとってこの役。もう最低男を絵に描いたような役で“最低で最高!”(この仕事をもってきたエージェント、Good Job!)

誰をとっても演技派かつ胡散臭い人たちばかりなので犯人の見当はつき辛く、なかなか先が読めない、というのはミステリーに必要不可欠な要素ですもんね。

 そして何と言っても私立探偵ブノワ・ブランを演じるのが4/10公開「007/ノー・タイム・ノー・ダイ」で007を引退するダニエル・クレイグ!007としてトム・フォードを着こなす彼が一転、南部なまりのキツイすっとぼけた探偵役。実は映画の前半部分はブノワのつかみどころがないフワッフワッした空気感が若干、金田一シリーズのようでもあり「本当に解決出来るの??」と不安にもなるのですが、そのアンバランスさがまたいい感じです。

最後にハーランの専属看護師にして、嘘をつくと吐き癖があるというイノセントGirlを演じるアナ・デ・アルマスちゃん。新作「007」でダニエルとも共演し、2000年彼女の魅力が開花するのは間違いなし。“盛大な嘔吐シーンがある映画はいい映画”という私のセオリーも本作でまた証明され、私は大満足です。

 推理ミステリーなので、その内容は映画を観てのお楽しみに、という訳で役者紹介で終わってしまいましたが、既に公開初日から多くのお客様がご覧ですし、脚本はアカデミー賞ノミネート、アメリカの映評サイト(ロッテントマト)でも満足度は批評家97%、観客92%(2/4調べ)と大絶賛なので、「何か映画観たいんだけど~」という軽いマインドの方からガチの映画ファンにまで幅広―――く、楽しんでいただける本作、自信をもってお届けしますYO! 

By.M