ウラシネマイクスピアリブログ

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『パディントン2』

 皆さんこんにちは、女住人Mです。今回は世界中をハッピーにしてくれるモフモフな英国紳士が活躍するあの映画の第二弾をご紹介!1/19(金)公開『パディントン2』です。

前作ではペルーの山奥からロンドンにやってきたクマのパディントンがブラウン夫人に助けられ、トラブルに巻き込まれながらもブラウン家の一員になるまでが描かれました。本作では大好きなルーシーおばさんの誕生日に世界にたった1冊の飛び出す絵本をプレゼントするために、パディントンがアルバイトを始めるという物語。ところが絵本が何者かに盗まれ、現場に居合わせたパディントンが逮捕されてしまいます。でもその裏には落ち目の俳優にして変装名人のブキャナン(ヒュー・グラント)の影が!果たしてパディントンは無実を証明出来るのか?無事、ルーシーおばさんに絵本をプレゼント出来るのか、というハラハラドキドキの展開です。

“パディントン”はイギリスを代表するロングセラー児童文学にして、人気キャラクター、その愛され具合は(前作の)ニコール・キッドマンや(今回の)ヒュー・グラントといった第一線のスターが悪役として出演し、嬉々としてそれを演じていることでも一目瞭然。一見、子供向け作品に思われるかもしれませんが、こんなにとびっきり楽しい映画を子供たちのものだけにしておくのは勿体ない!

 映画「パディントン」の魅力はもちろん、可愛い紳士なパディントン自身にあるのは言うまでもないのですが、描かれる物語に“寛容さ”、“多様性を受け入れることの大切さ”といったしっかりとしたテーマがあることも忘れてはいけません。まさに移民のメタファーでもあるパディントンはロンドンにやって来て心ない人に意地悪されたりすることもあるけれど、優しい人たちの親切、善意に助けられ、街の住人になっていきます。

 それはパディントンが礼儀正しく、誰にも親切だから。不寛容であることで世界が混沌としてきた現代だからこそ、人を出自や見かけだけで判断することなく、分け隔てなく親切であること、そんなパディントン精神は子供にも大人にも大切なことです。パディントンの温かい心が彼と出会った人々の心をほぐしていくように、映画を観ているとこちらまで優しい気持ちになれるのです。

 でも不器用なパディントンは行く先々でトラブルメーカーになってしまうので、映画そのものはハラハラドキドキしっぱなし。今回は高価な絵本を盗んだ泥棒に間違えられて刑務所に入れられます。そこはもちろん、厳つい男たちのたまり場。囚人たちのボス・ナックルズ(ブレンダン・グリーソン)に目をつけられた上に失敗まで犯してしまうのですが、パディントン精神でもって一気にナックルズを始め囚人みんなの心を鷲掴みにしていきます。一方、真犯人はどうもブキャナンじゃないか?と踏んだブラウン家はパディントンの無実を晴らすために一生懸命捜査を開始。既にブラウン家の家族となったパディントンのために一致団結する様にもう胸熱!

加えて、ブキャナンが列車で逃亡しようとする終盤は映画の冒頭から散りばめられていた伏線が笑いあり、感動ありで見事に回収され、パディントンもブラウン一家も観客の心も1つになること間違いなし!前作より全てにおいてスケール&パワーUPした面白さに、早く続編を!!と誰もが切望することでしょう。

そして主人公と敵対する悪役が輝けば輝く程、物語は面白くなる、の法則にのっとり、本作のもう一人の功労者はやっぱりヒュー・グラント。だいたい“今は落ち目のナルシストな役者”を彼が演じる、という設定だけで既にこの映画の成功は決まっていたようなもの。ヒュー・グライントファンの皆様におかれましてはきっと観たいヒューが観られる。そう、あなたの大好きなヒューと出会えます。

パディントンが大好きなマーマレードのようにほろ苦さもありつつ、それをスイートな優しさが包み込みます、是非お見逃しなく~!!

By.M