ウラシネマイクスピアリブログ

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『私ときどきレッサーパンダ』

 第88回アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した『インサイド・ヘッド』の続編『インサイド・ヘッド2』の公開が8/1に決定!それに先駆けて劇場未公開のディズニー&ピクサーの3作品がスクリーンに登場。今回はそのうちの1本、3/15(金)公開『私ときどきレッサーパンダ』をご紹介いたします。

 母親の言う事を聞き、いつもマジメで頑張り屋のメイ。でもティーンエイジャーの彼女は友だちとハメを外したり、大好きなアイドルの追っかけするのにも大忙し。やりたいことはたくさんあるけど両親の期待にも応えたい彼女は自分の気持ちを制御出来ず感情が不安定にもなっていき・・・そして朝起きるとメイはレッサーパンダになっちゃった!

 誰もが通る道、思春期・・・。自分の内なる感情がどんどん複雑になって自分でも持て余し、自分が自分でないような感覚になった人も多いと思います。親になにか言われようもんならいちいち癪に障り反発してみたり。そんな反抗期の症状を“レッサーパンダ”に変身する、というメタファーで表現してみたアイディアがうま過ぎる!そして思春期な女の子の表現が的確過ぎる!

 でもそんなピンチを救ったのは仲良しの仲間たち。メイの表も裏も知っている仲間たちが「大丈夫だよ」といつも側にいてくれます。しかも彼女たちは(BTS風味な)4★タウン(フォータウン)という共通の推しのアイドルに夢中でそれが仲間意識を強固にしています。

 そしてメイがレッサーパンダに変身しちゃう!という一大事と共に、推しが自分たちの街にライブでやってくる!行きたい!高いチケットどうすんの?という事件とを見事に同時進行形で描いていくところがまた最高。だって推し活は全てのことより優先するもの。4★タウンに悶絶する彼女たちは現在進行形で沼活中な知人、友人たち(自分を含め!?)と重なって見えてわかり味しかありません。(因みに4★タウンの楽曲はビリー・アイリッシュとその兄でプロデューサーのフィニアス・オコネルが手掛けただけあって、むちゃくちゃキャッチー!)

“推し活”というとても今的なエッセンスを取り入れながらも、友だちや母娘の関係性、子の成長と親離れ、子離れいう普遍的なテーマも丁寧に描いているので、共感性が高い作品になっています。また自分の嫌いな一面や感情を抑えつけるのではなく「そういのもあっていいじゃん、そういうとこもいいよ(人間だもの、みつを)」とマルっと包み込むメッセージも込められていて大人だってグっときちゃうハズ。

 ティーンエイジャーだったことがある人、これからの人、真っ只中の人、好きなもの(こと)がある人、大好きな友だちがいる人、つまり全ての人に観てほしい1本です!

そして3/29(金)からは『あの夏のルカ』がスタートします。あわせてお楽しみください☆

By.M